2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14046216
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩田 洋世 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20168579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 勝一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50304390)
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Keywords | 素粒子実験 |
Research Abstract |
ヒグス粒子特にSUSYヒグス粒子は大きな分岐比でタウ粒子に崩壊するので、トリガーの段階でタウ粒子を同定することはヒグス粒子探索に非常に有効である。CDFにおいてタウ・トリガーを実現し実際のデータに適用した。ATLASでタウ・トリガーに利用可能なシリコン検出器を開発し、シミュレーションによりタウ・トリガーを開発した。 LHCでのATLAS実験用に我々が開発したシリコンストリップ検出器のビームテストを昨年に引き続き行い、タウの娘粒子のインパクトパラメータを測定できると考えられるトラッキング性能を得た。位置分解能のみならず放射線損傷、読み出し速度の面でもタウ・トリガーの要求を満たす。 ATLAS検出器は建設途中であるので実際にトリガーを作ることはまだ出来ない。シミュレーションによる開発を進めた。レベル1とレベル2のトリガーにおいては、シリコンストリップ検出器の出力は時間的に間に合わないので、コーンアルゴリズムによりカロリメータの信号を処理してタウ・トリガーを作る。シリコンストリップ検出器の信号は後のレベルのイベントフィルターで用いる。タウ粒子の崩壊の特徴である独立したトラック、有限の崩壊長をシミュレーションにより再現し統計的手法により、タウ粒子崩壊の際のインパクトパラメータ、ジェットの内部構造や形など数種のパラメータを複合的に検討し、タウ・トリガーの最適条件を求めた。この際kTアルゴリズムを用いた。 前年度開催した「広島ヒグス研究会」が大変好評でATLAS、CDFの実験グループと理論研究者から是非また開いて欲しいとの要請を受け、また、本研究にも非常に有益であると判断したので、全国のヒグス物理の第一人者を集めて第二回目の「広島ヒグス研究会」を催した。本研究をヒグス物理の中にしっかり位置付けることが出来たと同時に参加者からは高い評価を得た。
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Research Products
(1 results)