2002 Fiscal Year Annual Research Report
コンパクト星および連星コンパクト星からの重力波に関する数値的研究
Project/Area Number |
14047207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 大 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80252576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江里口 良治 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (80175231)
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Keywords | 一般相対論 / 重力波 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
現在、世界数カ国でレーザー干渉計型重力波検出器が稼働中である。これら検出器に対する最も有力な重力波源は、中性子星やブラックホールからなる連星の合体、重い星の重力崩壊、あるいは非軸対称変形を起こした高速回転性子星である。これらの天体の運動状態を明らかにし、そして放出される重力波の波形を理論的に正確に計算しテンプレートを作成することが、重力波検出、重力波源の決定およびその運動状態の認識のためには必要不可欠である。 これらの天体現象を理論的に調べるために、種々の数値シミュレーションを実行した。多くは、アインシュタイン方程式と相対論的流体力学方程式を両方同時に解くシミュレーションである。今年度具体的に行なった研究は以下の通りである。 1.等質量でない連星中性子星の合体の空間3次元一般相対論的シミュレーション。 2.軸対称を仮定した星の重力崩壊の一般相対論的シミュレーション。 3.ニュートン重力と四重放射公式を用いた差動回転中性子星の非軸対称不安定性および放出される重力波の計算。 1からは、質量比が10:9程度の場合でも、軽い方の星が潮汐破壊されて、ディスクを形成し易いという新たな結果を得た。2に関してはショックに強い新たな計算コードを構築し、詳しいテスト計算を行なった。結果は論文に発表済みである。3に関しては、著しく差動回転している星は、運動エネルギーが重力ポテンシャルエネルギーよりも十分小さくても不安定化するという新たな知見を得た。この結果は現在投稿中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] J.L.Friedman, K.Uryu, M.Shibata: "Thermodynamics of binary black holes and neutron stars"Physical Review D. 65. 064035-1-064035-20 (2002)
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[Publications] M.Shibata, S.L.Shapiro: "Collapse of a rotating supermassive star to a supermassive black hole : Fully relativistic simulation"Astrophysical Journal. 572. L39-L43 (2002)
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[Publications] M.Shibata, S.Karino, Y.Eriguchi: "Dynamical instability of differentially rotating stars"Monthly Notice of Royal Astro. Soc. 334. L27-L31 (2002)
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[Publications] S.L.Shapiro, M.Shibata: "Collapse of a rotating supermassive star to a supermassive black hole : Analytic determination"Astrophysical Journal. 577. 904-908 (2002)
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[Publications] M.Shibata: "Axisymmetric general relativistic hydrodynamics : Longterm evolution of neutron stars and stellar collapse"Physical Review D. 67. (2003)