2002 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバーアンプを用いた重力波干渉計用高出力・高安定化光源の開発
Project/Area Number |
14047211
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武者 満 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 助手 (40303028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 憲一 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (10103938)
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Keywords | 重力波 / ファイバー増幅器 / MOPA / 周波数安定化 / Yb |
Research Abstract |
超高感度レーザー干渉計型重力波検出計画に必要とされる高出力(100〜300W)かつ周波数・強度供に高安定な光源を開発するため、本研究では小出力ながら強度・周波数が安定な主レーザーの出力をファイバー増幅器を用いて増強し(fiber MOPA)さらにコヒーレント結合させて高出力を得る研究を行う。ファイバー増幅器は冷却効率が高く、またその導波路構造によりバルク型増幅器で問題となる熱複屈折等の高出力時の熱効果による波面の乱れや空間モードの劣化が起きず、ファイバーの伝搬モードで決定される出力モードが得られる利点がある。その反面ファイバ増幅器はコア中の電界強度が高くなるので非線形効果特に誘導ラマン散乱が発生し、利得の減少や強度雑音の増加が問題となる。この問題を避けるためコア径を太くしまたファイバー長を短くする必要がある。まずファイバー長を短くするために高輝度励起が必要で、Ndの代わり上準位励起(ESA)が起こらないYbを添加したダブルクラッドファイバーのクラッド励起を行い、また吸収効率が上がるようにクラッド形状を非対称(D型)にする。ラマン閾値が20W以上になるようにコア径11μmとしたが、このコア径では高次モードも伝搬し単一出射横モードが実現できない。そこでに基本モードを残し高次モードを抑圧させるには直径30mmの円にファイバーを巻けばよいと試算された。クラッド径は400μmであり、コア径200μmのファイバー結合半導体レーザーアレイ(波長795nm-出力15W)により信号光とは逆方向からの端面クラッド励起を行っている。 現在までにファイバー設計と準備、励起光源準備が終わりモノリシック型の半導体励起Nd : YAGレーザー(出力500mW)を主レーザーとしてfiber-MOPAを構成し、出力特性評価が終わった段階である。この後高次モードを抑圧して単一横モード出力の実現と偏光比を改善、そして重力波検出器用の光源として重要な周波数・強度雑音の評価を行ない、コヒーレント結合へと研究を進める予定である。
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