2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047217
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
新冨 孝和 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 教授 (10016082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 聡一 産業技術総合研究所, 研究員
松原 洋一 日本大学, 教授
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 低温鏡 / 精密部品加工 / 超精密計測 / 熱雑音 / 極低温冷凍機 / 低温物性 |
Research Abstract |
重力波検出のためのレーザー干渉計の感度を決める雑音のうち,鏡や懸架系の熱雑音は,それらを構成する材料の低機械的損失化ならびに系の低温化により低減することができる。本研究では、レーザー干渉計の高感度化に必要な低温懸架系の技術開発ならびに低振動小型冷凍機の開発研究を行う。本年度は主として低振動小型冷凍機の開発と冷凍機から低温鏡を熱的に接続する熱リンク機構の基礎開発の研究を行ってきた。 (1)低振動パルスチューブ冷凍機の開発 小型冷凍機の振動測定装置の開発を行い、それを用いて各種小型冷凍機の振動測定を行った。その結果、パルスチューブ冷凍機が低振動という観点から有望であるが、必ずしも低振動というわけでないことが判明した。得られた知見をもとに、低振動パルスチューブ冷凍機開発に適用し、従来のものより低振動のパルスチューブ冷凍機の開発を行った。 (2)低温懸架系熱リンクの開発 防震機能を持つ熱リンク機構の開発が低温レーザー干渉計に必要である。この熱リンク機構に用いる良熱伝導体である高純度アルミの熱伝導の温度依存性を実験的に調べた。その結果、金属の場合には、サファイアファイバーと異なり、その熱伝導率に形状効果が見られないことが明らかとなった。これらの結果は、熱リンク機構の最適形状の設計に反映される。 (3)低温鏡の反射膜における光吸収測定 干渉計の鏡表面に付ける反射膜の光吸収率を低温で測定した。また、反射膜による鏡のQ値への影響の温度依存性を調べた。その結果、光吸収率およびQ値への影響の温度依存性がほとんどないことが明らかとなった。この結果は反射膜の最適化に反映される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Tomaru, et al.: "Evaluation of the performance of polished mirror surfaces for the TAMA gw detector by use of a wave-front tracing simulation"Applied Optics. 41. 5913-5920 (2002)
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[Publications] K.Kuroda, LCGT Collab.: "Progress in Gravitational Wave Detection : Interferometers"Nuclear Physics B(Proc.Suppl.). 110. 202-208 (2002)
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[Publications] T.Tomaru, et al.: "Maximum heat transfer along a sapphire suspension fiber for a cryogenic interferometric gravitational wave detector"T.Tomaru et al., Phys.Lett.. A301. 215-219 (2002)
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[Publications] K.Kuroda, M.Ohashi, S.Miyoki, H.Ishizuka, et al.: "Japanese large-scale interferometers"Class. Quantum Grav.. 19. 1237-1245 (2002)
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[Publications] T.Tomaru, et al.: "Thermal lensing in cryogenic sapphire substrates"Classical Quantum Gravity. 19. 2045-2049 (2002)
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[Publications] K.Kuroda, et al.: "Japanese large-scale interferometers"Classical Quantum Gravity. 19. 1237-1245 (2002)