2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047219
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
藤本 眞克 国立天文台, 光赤外研究部, 教授 (90107475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 竜太郎 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (60270451)
新井 宏二 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (50321584)
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Keywords | 重力波天文学 / レーザー干渉計 / 重力波検出 |
Research Abstract |
TAMA300の感度を支配している雑音源の特定のための実験と考察を集中的に進めている。それに平行して、低周波防振装置SASのTAMA300への導入準備を進めた。また、様々な重力波源を想定したデータ解析法の開発を行い、TAMA300の観測データに適用して重力波探査を実行した。具体的には、 1.TAMA300のノイズハンティングを集中的に行った。腕のファブリペロー共振部を外して光源とリサイクル部とマイケルソン干渉部の構成で位相検出感度を調べる実験を行った結果、光学要素の各部からの後方散乱光や不要光が主要な雑音源であり、それらの対策によって感度が向上することが確認された。その他に考えられる雑音源として変調・復調系の発振器雑音や電気雑音の影響も理論・実験両面から調べ、現状では支配的ではないが、将来の高感度化においては考慮すべきという知見を得た。 2.低周波防振SASを組み立てるための機械部品および計測・制御系のためのハードとソフトの部品の調達を行うとともに、一部の組み立てによる性能評価と改良実験を行った。 3.感度改善のための実験は、腕のファブリペロー共振部を戻して全体のシステムとして作動を開始する状態になったところであり、これから感度改善効果を見るための実験と調整が始まるところである。 4.ブラックホール準固有振動の減衰による重力波を検出するための波形テンプレートによる解析法の統計的性質を評価し、TAMA300データにより銀河系内イベントの上限値を求めた。また、Wavelet法により波形未知の重力波バーストの解析法の開発も進めた。
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