2003 Fiscal Year Annual Research Report
帯域可変型レーザー干渉計による重力波検出器の高感度化
Project/Area Number |
14047220
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
山崎 利孝 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 助手 (90182485)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 帯域可変型干渉計 |
Research Abstract |
重力波は、アインシュタインの一般相対性理論によりその存在を予言された光速で伝わる時空のひずみであるが、未だ直接検出はなされていない。そこで現在、重力波検出を目的として、日本のTAMA300をはじめ、世界各地で大型重力波検出器の建設が行なわれている。それらに用いられる検出器は、主としてパワー・リサイクリング法を用いた広帯域型干渉計を基本設計としている。しかしながら、将来の重力波天文学の創成にとっては、ある帯域内で感度を高め、しかもその帯域を自由に変えることができる、いわゆる帯域可変型重力波アンテナの実現が必須と考えられている。そこで本研究ではこの帯域可変型重力波アンテナの開発を理論・実験両面で行なってきた。各項目ごとの平成15年度の最大の成果は以下の通りである。 (1)真空中でのつり下げ鏡を用いた帯域可変型干渉計実験 世界初の、つり下げ鏡を用いた帯域可変型干渉計の狭帯域動作に成功した。また、光スプリング現象を確認するため干渉計の応答を測定し、この現象の確認まであと一歩のところまで迫った。 (2)偏光を用いた帯域可変型干渉計のテーブルトップ実験 偏光を用いた帯域可変型干渉計の動作に世界ではじめて成功した。干渉計応答などについての詳しい性能評価を行ない、狭帯域動作の確認を行なった。 (3)帯域可変型干渉計の量子雑音の解析 従来の変調復調を用いた信号取得方法を使いながら、量子非破壊計測の技術を導入して、量子雑音の軽減できることを発見し、そのメカニズムを解明した。 (4)LCGTのための帯域可変型干渉計の設計 LCGTのための帯域可変型干渉計の概念設計を行ない、信号取得メトリックスを計算した。 (5)カリフォルニア工科大学との40m帯域可変型干渉計に関する共同研究 腕付きマイケルソン干渉計の動作に成功。その後、帯域可変型干渉計のインストールを行なった。
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Research Products
(1 results)