2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14047220
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
山崎 利孝 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (90182485)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 / 帯域可変型干渉計 |
Research Abstract |
重力波は、アインシュタインの一般相対性理論によりその存在を予言された光速で伝わる時空のひずみであるが、未だ直接検出はなされていない。そこで現在、重力波検出を目的として、日本のTAMA300をはじめ、世界各地で大型重力波検出器の建設が行なわれている。それらに用いられる検出器は、主としてパワー・リサイクリング法を用いた広帯域型干渉計を基本設計としている。しかしながら、将来の重力波天文学の創成にとっては、ある帯域内で感度を高め、しかもその帯域を自由に変えることができる、いわゆる帯域可変型重力波アンテナの実現が必須と考えられている。そこで本研究ではこの帯域可変型重力波アンテナの開発を理論・実験両面で行なってきた。 各項目ごとの平成17年度の成果は以下の通りである。 (1)真空中でのつり下げ鏡を用いた帯域可変型干渉計実験 前年度に開発した新しい信号取得方法の有用性を、4mプロトタイプ(広帯域動作)にて実験的に確認するために、実験装置の設計・改良を行なった。特に日本の将来計画であるLCGTのための確認実験であることから、従来は使用していなかったパワー・リサイクリング・ミラーも組み込むことになった。現在、新しい信号取得法につながる方法を用いて、ファブリペロー・マイケルソン・干渉計の動作の確認がなされたところである。 (3)帯域可変型干渉計のための量子非破壊計測実験 ファブリペロー・マイケルソン干渉計においてポンデロモーティブ・スクイージングを利用してホモダイン検波によって標準量子限界を打ち破る実験の設計を行なった。2mgの超低質量を持つミラーを用いることにより、鏡の熱雑音を標準量子限界以下に抑えることができることがわかった。 (4)カリフォルニア工科大学との40m帯域可変型干渉計に関する共同研究 パワー・リサイクリングを含む吊り下げミラーを用いた帯域可変型干渉計の狭帯域動作に成功した。また、帯域可変型干渉計の狭帯域動作に特有の現象である光バネ効果についても観測し、理論の正しさを証明した。
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Research Products
(2 results)