2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14048201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 到 近畿大学, 理工学部, 講師 (10247950)
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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Keywords | 大気エアロゾル / 間接的地球冷却化効果 / 雲粒粒径分布 / 雲粒生成能 / 立て坑雲生成実験 / 水溶性エアロゾル / 雲の日射反射率 / 衛星リモートセンシング |
Research Abstract |
水溶性の大気エアロゾルは雲粒生成の際の核となる。そのため大気中の水溶性エアロゾル濃度が増加すると、雲粒の粒径分布は粒径の小さいものがより多い分布となり、その結果雲層の日射反射率が増加して地表に到達する日射量を減少させ、地表気温を低下させる(エアロゾルの間接的地球冷却化効果)。本年度は、この間接的地球冷却化効果を定量的に評価することを目的として、以下の研究を開始した。 (1)釜石鉱山の立て坑を利用して、雲粒の生成・成長過程の実規模実験を行った。立て坑底部において様々な濃度の硫酸アンモニウム粒子と塩化ナトリウム粒子を発生させ、立て坑内に注入し雲を発生させた。立て坑内の雲発生地点の近傍において雲粒の粒径分布および化学組成を測定した。発生した雲粒の粒径はそのほとんどがインパクター上の痕跡径で4〜6μmであった。化学成分については現在、解析中である。 (2)札幌近郊の手稲山において、山腹に発生する霧の粒径分布および化学組成とエアロゾルの化学組成について、ロープウェイを利用して観測を行った。山霧の粒径分布は対数正規分布近似での幾何平均径が5.8μmで、立て坑で発生した雲の粒径分布に比べてやや大きめであった。 (3)人工衛星ADEOS-1,-2に搭載されているPOLDERセンサーにより得られた偏光放射輝度データを用いて、全球のエアロゾルの波長0.55μmでの光学的厚さの分布を求めた。その結果、インド北部、東南アジアおよび中国において、光学的厚さが非常に大きいことがわかった。今後、地上からの観測値との比較検討を行う。
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