2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14048222
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
三浦 和彦 東京理科大学, 理学部, 講師 (00138968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 光夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60203478)
児島 紘 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80084309)
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Keywords | 環境 / 気候変動 / エアロゾル / 海洋大気 / 湿度特性 / 内部混合 / 黄砂 / 係留気球 |
Research Abstract |
海洋エアロゾルは、気候変動、物質循環の分野において重要で、近年多くの観測が行われているが、いまだ測定上の問題がある。粒径分布の測定では測定システム内で温湿度が変化する問題、化学成分測定においては試料採集中にエアロゾルが変質する(気体の吸着や粒子の気化)という問題である。本研究の目的はこれらの問題を解決し、より正確に粒径分布や化学成分の測定を行い、海洋エアロゾルの性状とその分布を調べることにある。 測定システムの温湿度変化の問題を解決するために、2組の装置を用い、乾燥状態と加湿状態で粒径分布を測定する計測システムを開発した(三浦)。さらに電子顕微鏡水透析法により、水溶性エアロゾル粒子の割合を求めた(新村)。また、試料変質の問題を解決するために、船上での高時間分解能を持つモニターによりリアルタイム測定をした(植松)。これらの問題が解決されることにより、粒子の発生、成長などのプロセス研究に発展させることができる。さらに、輸送プロセスを調べるために、大陸起源のトレーサとしてのラドンを測定した(児島)。また、係留気球、マスト、クレーンを利用し海面付近から大気境界層上端までの鉛直分布を測定した(三浦)。 HTDMAを用い、湿度特性を調べた。海洋大気エアロゾルはほぼ全て成長したが、陸の影響を受けるにつれ、成長率、成長粒子の割合が減少した。都市大気エアロゾルの湿度特性は気象条件により異なり、このような粒子が海上へ輸送され、海洋エアロゾルの湿度特性を変えることが予想される。個別粒子の元素分析および水透析により内部混合状態を調べた。海洋大気エアロゾルのほとんどは水溶性の物質を含んでいた。混合粒子の割合は40〜80%で、陸の影響を受けている時は煤を含む粒子が多かった。黄砂時には硫酸塩に関する粒子が2〜3倍に増加していること、混合粒子は非黄砂時に比べ2〜3倍に増加していることが分かった。
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Research Products
(6 results)