2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14048228
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 南極圏環境モニタリング研究センター, 助教授 (60291887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼保 直樹 産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 主任研究官
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Keywords | エアロゾル / 大気環境 / 東アジア / 地球冷却化 / 直接効果 / エアロゾル複素屈折率 / 海洋境界層 |
Research Abstract |
エアロゾルの直接効果を調べるために計画された地上観測サイト(父島、福江島、奄美大島、乗鞍岳)に観測機器を配備し(一部既設機器使用)、観測を開始した。また、2002年9月には南極観測船「しらせ」により日本周辺海域での洋上観測を実施した。これらの地上サイトおよび船上で行った主な観測は、(1)サンフォトメータ/スカイラジオメータによるエアロゾルの光学的厚さと粒径分布(気柱総量)の測定、(2)パーティクルカウンターによる粒径分布の測定、(3)積分型ネフェロメータによるエアロゾル散乱係数の測定、(4)サンプリング光度計/吸収光度計によるエアロゾルのサンプリングと吸収係数の測定、である。その結果、次のような成果が得られた。 1)しらせ国内訓練航海においては、日本列島をほぼ一周する海洋境界層中のエアロゾルの光学観測とサンプリングが行われ、その時の流跡線解析結果と併せて、日本の東側沿岸では海洋性大気中のエアロゾルについて、西側沿岸では大陸・朝鮮半島起源のエアロゾルについて、それぞれ特徴的な光学特性が得られ、対応する複素屈折率の導出に成功した。 2)しらせ航海中に得られたエアロゾル試料の化学分析および非水溶性粒子分析の結果、太平洋側で観測された海洋性エアロゾルは相対的に低濃度で海塩粒子の特徴を示し、日本海・東シナ海側で観測された大陸・朝鮮半島起源エアロゾルは相対的に高濃度で人為汚染粒子や土壌粒子の特徴を示した。 3)小笠原父島観測では、海洋性気団に覆われる夏季には吸収性が小さく、大陸起源気塊の輸送シーズンにあたる冬〜春には吸収性が大きくなるような季節変化が得られた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yabuki, M., et al.: "Optical properties of aerosols in the marine boundary layer during a cruise from Tokyo, Japan to Fremantle, Australia"Journal of the Meteorological Society of Japan. Vol.81,No.1. 151-162 (2003)