2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14048228
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (60291887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼保 直樹 産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 主任研究員 (00356809)
矢吹 正教 国立極地研究所, 研究教育系, プロジェクト研究員 (80390590)
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Keywords | エアロゾル / 大気環境 / 東アジア / 地球冷却化 / 直接効果 / 光学特性 |
Research Abstract |
本研究では、日本各地の地上サイトおよび船上でのリモートセンシングおよび現場観測により東アジアにおける対流圏エアロゾルの光学特性を調べ、直接効果による気候影響を評価することを目的としている。平成16年度の主な成果は以下のとおりである。 1)南極観測船しらせの日本周回訓練航海(2004年9月)において洋上エアロゾル光学観測を実施した。この船上観測には、光学式粒子数濃度計測器(OPC)、積分型ネフェロメータ(IN)、および吸収光度計(PSAP)を用いた。Yabuki et al.(JMSJ,2003)の方法により、これらの観測データを組み合わせて解析した結果、濃厚なヘイズ現象が観測された鳥取〜山口沖(9月20日)では、エアロゾルの複素屈折率について実数部1.48〜1.54、虚数部0.002〜0.004という値が得られた。 2)2004年4月に実施した甲府での黄砂観測(A01P21計画研究班との共同)では、2004年4月17〜18日に到来した黄砂粒子の粒径分布をコールターマルチサイザーにより測定することができた。その結果、この時の黄砂粒子は幾何平均半径2.8μmを持つ粒径分布を示した。 3)小笠原諸島父島で継続実施中のエアロゾル観測のうち、2004年2月15日に捉えたアジア大陸起源エアロゾルの輸送イベントについて、光学特性に関するクロージャー解析を行った。その結果、汚染物質到来によって急激な増加が見られたエアロゾル光学的厚さ(サンフォトメータ観測)は地上光学測定(ネフェロメータおよびPSAP)による消散係数の鉛直積分値とよい一致を示した。 4)父島での2003年および2004年のスカイラジオメータ観測データを解析した結果、春季には大陸起源の土壌粒子の影響や夏季の太平洋上の清澄大気の支配など、光学的厚さやオングストローム指数の季節変化に明瞭な季節的特徴が見られた。
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