2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 信廣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津島 稔 北海道大学, 電子科学研究所, 講師(研究機関研究員)
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Keywords | 光物理化学 / 光反応ダイナミクス / 光機能物性 / 電子励起分子 / 光導電性 |
Research Abstract |
パルス光励起直後から数ピコ秒の時間分解能で各時間領域毎に分けて電場発光スペクトルを得ることのできる装置を開発し、光誘起電子移動反応への電場効果を調べた。また、定常光励起において電場と磁場を同時に作用させた時の発光スペクトルの変化を調べた。 ITOとアルミを電極として用い、電極間に挟まれたポリマー試料に対して〜±1MV/cmまでの電場を印加して測定を行った。試料の励起には、フェムト秒Ti : Sapphireレーザーの第二高調波もしくは第三高調波を用いている。発光はマイクロチャンネルプレート内蔵型光電子増倍管によって検出する。まずマルチチャンネルアナライザーを4つのセグメントに分割し、この4つのセグメントを、セグメントルータによって設定した時間ごとに切り替える。次にセグメントの切り替えに同期して試料に印加している電場を切り替える。これを繰り返すことで、電場が存在するときと存在しないときの発光減衰曲線を各セグメントに分けて一度に測定することを実現した。これを観測波長を変えて行うことにより、ピコ秒以下の時間領域にわたる時間分割電場発光スペクトルの測定が可能となる。この装置を用いてピレン(Py)とジメチルアニリン(DMA)の連結分子系に関して時間分解電場蛍光スペクトルを測定した。 さらにPyとDMAの連結化合物の光化学反応への電場と磁場の相乗効果を調べた。この連結分子を比較的高濃度でポリマー中にドープした系では、Pyを励起するとDMAからPyへ電子移動が起こるために、シャープな局在励起状態からの蛍光以外に、〜450nmにピークを有するブロードなエキサイプレックス蛍光が観測され、二種類の蛍光とも電場により消光を示す。蛍光そのものへの磁場効果はほとんど観測されないのに、電場消光への顕著な磁場効果を観測することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ito: "Distance dependence of the electric field effect on photoinduced electron tunneling between cyanine dye and viologen through a fatty acid monolayer"Journal of Physical Chemistry. 106・5. 895-898 (2002)
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[Publications] N.Ohta: "Electric field effects on photochemical processes in solid films"Bull. Chem. Soc. Japan. 75. 1637-1655 (2002)
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[Publications] N.Ohta: "Acceleration and Deceleration of Photoinduced Electron Transfer Rates by an Electric Field in Porphyrin-Fullenene Dyads"Chem. Phys. Lett. 368. 230-235 (2003)
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[Publications] M.Mizoguchi: "Fluorescence of an Electron Donor-Acceptor System in a Polymer Film under the Simultaneous Application of Electric Field and Magnetic Field"Chem. Phys. Lett. (印刷中). (2003)