2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 和仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00172859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 猛 自治医科大学, 一般外科, 助手 (00275695)
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Keywords | 環境材料 / 省エネルギー / 光物性 / 表面・界面物性 / 光触媒 |
Research Abstract |
酸素サイト窒素置換酸化チタン粉末・薄膜の作製と評価を行った。薄膜はスパッタ法により、粉末は酸化チタン粉末をアンモニア雰囲気下でアニールすることにより作製した。窒素置換濃度はXPSによって評価した。置換濃度増加に伴い、価電子帯もしくは伝導帯から孤立した不純物準位の形成(N2p軌道による、非混成状態)から混成状態(N2p軌道と酸化チタンの価電子帯を形成するO2p軌道との混成)へとバンド構造の変化が認められ、そのバンド構造変化に伴い、酸化分解力・親水化特性も変化した。この結果から、新たに導入されたN2p準位が可視光応答性の起源であることが明らかとなった。窒素置換量が小さい場合の非混成状態では、活性は小さかった。物質中の光励起電子・正孔対の移動度が小さいためと考えられる。また、窒素置換量の多い場合の混成状態では、正孔の酸化力が小さくなるため、活性が低下した。すなわち、非混成状態から混成状態に移行するその窒素濃度(約1.8mol%)において可視光活性が最も高いという結果が得られた。 さらなる活性の向上を目指して、酸素サイト炭素・硫黄置換酸化チタン粉末・薄膜の作製と評価を行った。薄膜はスパッタ法により、粉末は炭化チタン、硫化チタン粉末を酸化することにより作製した。共に、可視光活性を示した。傾向は窒素置換型と同様で、バンド構造の変化に伴い、活性が変化した。窒素置換型と比較して、炭素もしくは硫黄置換型は活性が低かった。このアニオン置換種による活性の違いは、新たに導入されたN2p軌道とC2p軌道、S3p軌道が形成する電子状態密度の違いによるものであることが、第一原理計算により明らかになった。即ち、炭素置換ではバンドギャップ内の比較的浅い位置に孤立した準位を形成し(酸化力小)、窒素置換では深い位置に準位を形成し(酸化力大)、硫黄置換では窒素、炭素の中間的位置に準位を形成することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)