2003 Fiscal Year Annual Research Report
光機能性分子組織体の構築と界面物性制御材料への展開
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14050026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬川 浩司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50216511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 清語 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (10127152)
城田 秀明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00292780)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 導電性高分子 / 光充電 / ポルフィリン / J会合体 / ナノファイバー / LB膜 / スピンデバイス |
Research Abstract |
本研究では、界面物性制御材料として多様なナノ構造を持つ分子組織体に着目し、光機能や電子的機能を発現する新しい分子組織体の構築とデバイスへの展開を行っている。今年度は、ポルフィリンや導電性高分子などを用い、(1)高効率光エネルギー変換系とエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池、(2)ポルフィリンJ会合体のナノ構造制御と機能、(3)ポルフィリンアレイπラジカルのスピン整列と電子移動制御材料に関する研究を進めた。 (1)については、色素増感太陽電池と二次電池を一体化した三極式のエネルギー貯蔵型色素増感太陽電池(ES-DSSC)を開発した。ES-DSSCは、光エネルギー変換を行う部分と電荷蓄積電極をイオン交換膜を介して組み合わせた3極式セル構造をもつ。電荷蓄積電極には、導電性高分子であるポリピロールを用いた。負荷をかけずに50分光充電した後、セルの開回路電圧は15分後でも600mV程度に保持されることがわかった。(2)については、プロトン化した非水溶性テトラアリルポルフィリンJ会合体を気-液界面で作成し、その吸収スペクトルが液-液界面で形成したJ会合体より先鋭になり不均一な相互作用が少ない高秩序会合体となることを明らかにした。また、気-液界面で生じたJ会合体のAFMからナノファイバー構造があることを確認した。さらに、ポルフィリンJ会合体単分子膜を構築し、他の両親媒性分子の助けなしに、ガラス基板上に容易。に累積できることを明らかにした。(3)については、今年度は、ダイマー以上のメソ位直結型ポルフィリンアレイならびにポリマーの高酸化状態について検討し、ダイマー同様に多重項ESRシグナルを与えることを明らかにした。また、メソ位ベータ位直結型ダイマージラジカルでは、キュリー則にほぼ従う三重項の確認に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroshi Segawa, et al.: "Triplet π-Diradical Dication of Directly meso-β-Linked Porphyrin Dimer"J.Am.Chem.Soc.. 126. 1354-1355 (2004)
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[Publications] Hideaki Shirota, Hiroshi Segawa: "Solvation Dynamics of Formamide and N,N-Dimethylformamide in Aerosol OT Reverse Micells"Langmuir. 20. 329-335 (2004)
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[Publications] Hiroki Nagai, Hiroshi Segawa: "Energy-storable Dye-sensitized Solar Cell with a Polypyrrole Electrode"Chern.Commun.. (in press). (2004)
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[Publications] Hiroshi Segawa, et al.: "Structure and Properties of Protonated Water-insoluble Porphyrin J-Aggregates Formed at Liquid-Liquid or Gas-Liquid interface"Trans.Mater.Res.Soc.Jpn.. (in press). (2004)
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[Publications] Yasuko Takeuchi, Kazutaka Hirakawa, Kimihiro Susumu, Hiroshi Segawa: "Electrochemical Determination of Charge Transfer Direction of "Center-to-Edge" Phosphorus(V) Porphyrin Arrays"Electrochem.. (in press). (2004)