2002 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体と光触媒を用いる廃水からの有害有機物の分離・分解除去
Project/Area Number |
14050037
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
跡部 真人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (90291351)
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒 / イオン性液体 / 酸化分解 / 超音波 / 4-クロロフェノール / 環境浄化 / イミダゾール塩 |
Research Abstract |
TiO_2などの光触媒による酸化還元は固-液不均一界面で起きることから、光触媒による環境汚染物質の分解除去には物質移動が律速となる問題があった。また、廃水からの有害有機物の分離には液-液二層分離が常用されてきたが、抽出溶媒による二次汚染が新たな問題となっている。一方、ごく最近開発された常温で液体の疎水性溶融塩(イオン性液体)は水に不溶であり、水層からの有機物の抽出に利用できることが示されている。一方、我々は水中で有機物の光触媒による酸化解速度が超音波照射により著しく促進されることを見い出している。そこで本研究では、本手法の一般化を図るとともに疎水性イオン性液体により廃水から抽出した汚染有機物の光触媒による分解除去を超音波照射により高効率化することを目的として行った。 本年度はイミダゾール系イオン性液体中でTiO_2光触媒を用い、モデル化合物として4-クロロフェノールを対象として光触媒分解を試みた。イオン性液体は一般に粘性があり、基質が低濃度の場合には分解効率が極めて低かったが、超音波照射により基質分子の物質移動を促進することにより光触媒分解反応を高効率化できることを見い出した。また、超音波強度の増大とともにと分解高率も向上することが分かった。これらの結果は、疎水性イオン性液体を用いることにより二次汚染を回避でき、有害物質の排水からの抽出・分解除去といった一連の環境浄化プロセスへの可能性に繋がるものと思われる。
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Research Products
(1 results)