2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050043
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30134969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
西野 純一 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70272862)
|
Keywords | 触媒・化学プロセス / ナノ材料 / 表面界面反応 / 新エネルギー / 光触媒 |
Research Abstract |
光触媒は既に一部実用化されているが、高機能性を持たせるために更なる改良が期待されている。そこで、本研究では光触媒反応の反応活性種の触媒上での発生場所とその時間依存性について明らかにし、それをもとに新しい触媒設計を行うことを目的として、現在まで、酸化チタン懸濁系における、ルミノールによるスーパーオキサイドラジカルの検出、テレフタル酸蛍光プローブによるOHラジカルの定量、また、気相中での吸着水の構造のNMRによる研究を行ってきた。今回は、反応活性種の候補とも考えられる一重項酸素をスピンプローブ剤を用いたESRによる研究、および、燐光の観測から、その時間的解析を行った。 一重項酸素の発光は、分光器、近赤外用光電子増倍管とゲーテッドホトンカウンターを用い、小型パルスYAGレーザーの355nm照射で観測した。1270nmにおける発光は、一重項酸素の燐光であることを、532nm励起のローズベンガルでの発光スペクトルと一致することから確かめたアルコールの存在で、発光強度は減少するが、発光寿命がそれぞれ文献値とほぼ対応することから、一重項酸素の生成がアルコールにより抑えられていることが分かる。スーパーオキサイドイオンの酸化により生成が予想される一重項励起酸素は生成しているが、水の存在で励起状態の寿命が短くなるので、ある種の反応にのみ寄与しており、多くの場合は無視できると考えられる。 酸化チタン薄膜の表面の吸着水を固体NMRで観察したところ、水の運動性により2種類の水が観測されることが、温度変化や熱処理したサンプルでわかった。光照射により、運動性の低い水の信号に変化があることから、超親水性の機構として指摘されている、光照射による表面構造変化に対応することがわかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] J.Nishino, S.Teekateerawej, Y.Nosaka: "Preparation of TiO_2 Coated Al_2O_3 membrane by a pyrolysis Method"J.Mater.Sci.Lett. 22(14). 1007-1009 (2003)
-
[Publications] J.Nishino, Y.Nosaka: "Preparation of ZnO by a nearby vaporizing CVD method"J.Mater.Res.. 18(9). 2029-2032 (2003)
-
[Publications] S.Teekateerawej, J.Nishino, Y.Nosaka: "Preparation of TiO_2 coated Alumina Membranes for Photocatalytic Activity"Adv.Technol.Mater.Mater.Process, J.. 5(2). 80-83 (2003)
-
[Publications] Y.Nosaka, S.Komori, K.Yawata, T.Hirakawa, A.Y.Nosaka: "Photocatalytic ・OH radical formation in TiO_2 Aqueous Suspension Studied by Several Detection Methods"Phys.Chem.Chem.Phys. 5(20). 4731-4735 (2003)
-
[Publications] A.Y.Nosaka, E.Kojima, T.Fujiwara, H.Yagi, H.Akutsu, Y.Nosaka: "Photoinduced Changes of Adsorbed Water on a TiO_2 Photocatalytic Film as Studied by ^1H-NMR Spectroscopy"J.Phys.Chem.. B, 107(44). 12042-12044 (2003)
-
[Publications] Ikeda, S., Sugiyama, N., Murakami, S.-y., Kominami, H., Kera, Y., Noguchi, H., Uosaki, K., Torimoto, T., Ohtani, B: "Quantitative Analysis of Defective Sites in Titanium(IV) Oxide Photocatalyst Powders"Phys.Chem.Chem.Phys.. 5. 778-783 (2003)