2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050043
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
野坂 芳雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30134969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 能規 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70293256)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / 反応機構 / 活性酸素 / OHラジカル / 一重項酸素 |
Research Abstract |
光触媒は既に一部実用化されているが、高機能性を持たせるために更なる改良が期待されている。そこで、本研究では光触媒反応の反応活性種の触媒上での発生場所とその時間依存性について明らかにし、それをもとに新しい高活性な触媒設計を行うことを目的としている。本年度は、一重項酸素の反応挙動および非接触端光触媒反応で関与すると考えられる表面から離脱したOHラジカルについての観測に成功した。我々は酸化チタン光触媒で一重項酸素(^1O_2)を発生する事を見出した。この^1O_2は反応性が高く、有機分解反応のみならず合成への利用も期待できる。各種の有機溶媒を分散させた時、^1O_2の発生量は水と比較して少ないが、溶媒の組成、官能基による差異が観測された。種々の溶媒を用いた酸化チタン光触媒反応で生成される^1O_2の寿命はいずれの媒質においても2μs程度と短い寿命であったが、これは、^1O_2は酸化チタン表面に吸着しており、多くは酸化チタンとの相互作用で消光し、一部のみ溶媒の影響を受けるためと考えると説明がつく。 酸化チタン表面近傍において空間的にはなれた位置でも酸化反応が生じることが、非接触型光触媒作用が、知られている。そこで、酸化チタン表面から気相中に脱離したOHラジカルをレーザー誘起蛍光法により直接検出することで、非接触型光触媒作用において重要であると考えられているOHラジカル生成の時間変化の測定を行うとともに、その発生機構を検討した。波長355nmのパルスレーザー光を酸化チタン粉末表面に照射後、遅延時間をおいて色素レーザーの2倍波光(283nm前後)を酸化チタン粉末表面に対して平行に約3〜5mm上部において照射した。レーザー誘起蛍光(LIF)スペクトルを測定する事からOHラジカルが観演できることを確認した。OHラジカルの発生が、アブレーションに基づくものか、H_2O_2の光分解によるものか、H_2O_2の光触媒還元によるものか、あるいは、水の光触媒酸化によるものか、現在4つの可能性が考えられる。
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