2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14050087
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
重里 有三 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90270909)
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Keywords | 光触媒 / スパッタ法 / 酸化チタン / 可視光応答型光触媒 / 酸化タングステン / 光誘起超親水化 / 負イオンのダメージ / 低インピーダンススパッタ |
Research Abstract |
<研究の目的> 酸化チタンは光触媒としての機能を有するために現在に至るまで様々な応用を想定した研究開発が活発に行われてきた。本研究では、大面積基材に均一な膜厚、構造、物性を有する高機能酸化物薄膜を作製するのに大きな優位性を有するスパッタ成膜法に着目し、緻密で付着力が強くかつ高い光触媒活性度を有するアナターゼ型酸化チタン等の薄膜を低コストで再現性良く、多様な用途にあわせて大面積基板に高速で形成する方法を確立する事を目標とした。また、同方法により、酸化チタンだけではなく、酸化タングステンなどの可視光応答性等ですぐれた新規光触媒材料の探索を行い、それらの成膜方法に関しても研究を行う。 <研究成果> DC、或いはRFマグネトロンスパッタ装置を用いて、酸化チタン薄膜を作製し、その構造と光触媒活性度との相関関係を調べた。構造としては、X線回折、走査型プローブ顕微鏡等を用いて、酸化チタン薄膜の結晶性や表面構造を詳細に解析し、光触媒活性を支配している構造的な要因に関して考察を深めた。また、酸化チタン薄膜の内部応力と光分解活性度の相関関係も明らかにした。それらの結果、引っ張り応力により光触媒活性度は低下し、わずかな圧縮応力により活性度は向上することを明らかにした。さらに、引き続き種々の分析機器を装備したDCスパッタ装置のエネルギー分解能をさらに向上させ、スパッタプロセス中の負イオンの量とエネルギー、スパッタ粒子のフラグメント等のin-situ測定により、種々のスパッタパラメータが薄膜成長過程に与える影響を定量的に詳細に解析した。これらの結果は、実用的な光触媒成膜装置の設計等に役立てることができる。 可視光応答性酸化タングステン薄膜に関しては、カソード磁場強度等を含むスパッタ成膜プロセスパラメータを工夫しながら低インピーダンススパッタを行うことで、可視光誘起超親水性を有する薄膜の作製に成功した。
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