2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体内におけるADAMTS-4の機能:トランスジェニックマウスを用いた研究
Project/Area Number |
14071201
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 秀人 愛知医科大学, 分子医科学研究所, 助教授 (90240514)
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Keywords | 細胞外マトリックス / 軟骨 / ADAMTS-4 / 代謝 / 蛋白質分解酵素 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、「ADAM-TS4(アグリカナーゼ1)を時間的・空間的制御下に発現できるトランスジェニックマウスを用いて、軟骨を含め種々の組織における同酵素の機能、および他のタンパク質分解酵素との協調的な分解機構を明らかにすること」である。 トランスジェニックマウスの作製にはテトラサイクリン誘導発現系を用いることとし、トランスジェニックマウス用のベクターを作製した。軟骨分化を示すATDC5細胞を用いて作製したベクターの機能を調べたところ、テトラサイクリンの除去により発現するADAMTS-4の量が少ないこと、同酵素が細胞培養液中では殆ど分解されてしまっていることがわかった。同ベクターを用いてトランスジェニックマウスを作製しても軟骨組織内において期待できる活性が得られない可能性が高いため、急遽ベクターに改良を加えることとした。まず、Tet-off系の代わりにCre-IoxPシステムによって遺伝子を発現させる方法を考案した。これは、Iox-Pによって挟まれた終始コドンを持つエクソンをプロモーターと遺伝子の開始コドンを持つエクソンとの間のイントロンに挿入しておき、Cre酵素によって挿入エクソンをはずすことにより遺伝子を発現させるシステムである。また、ADAMTS-4全長の発現に加え、培養液中で分解されることなく安定な酵素活性が検出されるADAMTS-4/Sp変異型を発現させることを考案した。この改良型ベクターを作製し、現在、細胞培養系を用いて同ベクターの機能を確認中である。 上記のトランスジェニシクマウス計画に加え、ADAMTS-4抵抗性アグリカンを産生するノックインマウスも作製中であり、これらマウスの解析によってさらに同酵素の生体内における機能の詳細が明らかになるものと期待される。
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