2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗片 比呂夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60270922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 敏治 慶応義塾大学, 電子工学科, 助教授 (70261196)
竹内 淳 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80298140)
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Keywords | スピントロニクス / 磁性半導体 / スピン依存光物性 / 量子ドット / キャリア誘起磁性 / 近接場光学 / 量子情報処理 / 超高速現象 |
Research Abstract |
半導体は光励起によってスピン偏極度やスピン濃度が大幅に制御できる。研究項目A01「光スピンデバイス」では、(1)光を利用したスピン方向操作と検出法の開拓、(2)光励起スピン生成とスピン協同現象を利用したナノ空間領域でのスピン操作、ならびに、(3)磁気光学効果を利用した光スピン素子(例えば、超高速光スイッチ、光モデュレータ、近接場光スピンプローブ、円偏光発光素子)など、スピンと光を活用してはじめて達成可能な機能、デバイス、システムの研究を行うが、本研究課題では、それらの研究全般に関する研究動向調査と分析を行い、研究項目A01の適切な運営を調整した。具体的には以下を遂行した。 (1)強磁性スピン系の光操作と光磁化およびその応用(宗片) 磁性半導体ナノ複合構造中の強磁性スピン集団を円偏光により回転させる実験を成功させた。今後、磁化反転デバイスの試作を研究していく。また、光生成キャリアスピンで誘起される磁性のからむ協同現象の動的過程の解明に着手した。調整班代表者として、光スピントロニクスデバイス全般の研究動向調査と分析を研究支援者とともに遂行し、また、計画研究との調整作業を行った。 (2)スピン生成と緩和の光制御と応用(竹内) 半導体量子ドットのスピン緩和を偏光検出技術と超高速時間分解分光法とを駆使して調べ、結合ドット間にスピン交換相互作用が存在することを実験的に示した。今後、光スピン制御技術の基礎を確立し、光通信や演算のためのナノ構造光スピンデバイスを試作する。調整班員としては、光スピントロニクス高速現象の研究動向調査と分析を行った。 (3)近接場光学技術によるナノ光スピントロニクス(斎木) 近接場磁気光学プローブ技術を発展させて、様々な半導体・磁性体融合構造のナノ空間領域(10-20nm)における磁気光学分光とスピン偏極発光分光技術の開発に着手した。将来は、近接場光でのみ可能なスピンの光励起現象やスピン制御へと展開する計画である。調整班員としては、光スピントロニクスナノプローブの研究動向調査と分析を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Oiwa, Y.Misumori, R.Moriya, T.Slupinski, H.Munekata: "Effect of Optical Spin Injection on Ferrmagnetically Coupled Mn Spins in the III-V Magnetic Alloy Semiconductor (Ga, Mn)As"Physical Review Letters. 88. 137202-137205 (2002)
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[Publications] R.Moriya, H.Munekata: "Relation among concentrations of incorporated Mn atoms, ionized Mn acceptors, and holes in p-(Ga, Mn)As epilayers"Journal of Applied Physics. 93,April. 7 (2003)
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[Publications] S.Yanagi, H.Munekata, Y.Kitamoto, A.Oiwa, T.Slupinski: "Interlayer coupling in (In, Mn)As/InAs/(In, Mn)As magnetic semiconductor trilayer structures"Journal of Applied Physics. 91. 7902-7905 (2002)
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[Publications] T.Kondo, S.Kuwabara, H.Owa, H.Munekata: "Molecular beam epitaxy of (Ga, Mn)N"Journal of Crystal Growth. 237-239. 1353-1357 (2002)
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[Publications] R.Moriya, H.Munekata, T.Kondo, A.Oiwa: "Preparation of quaternary magnetic alloy semiconductor epilayers (Ga, Mn, Fe)As"Journal of Crystal Growth. 237-239. 1344-1347 (2002)
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[Publications] 近藤 剛, 宗片 比呂夫: "(Ga, Mn)Nの結晶成長と磁性-窒素プラズマMBE-"応用物理. 71. 1272-1276 (2002)