2004 Fiscal Year Annual Research Report
スピントロニクスデバイス・デザインに関する研究連絡調整
Project/Area Number |
14076105
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白井 正文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70221306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 裕志 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30323091)
江藤 幹雄 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00221812)
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Keywords | スピントロニクス / ハーフメタル / 希薄磁性半導体 / スピントランジスタ / 半導体人工分子 / 量子ドット / 位相緩和 |
Research Abstract |
希薄磁性半導体の遷移金属スピン間にはたらく磁気相互作用を第一原理計算し、強磁性転移温度を精度よく評価した結果、ワイドギャップ半導体では、磁気相互作用が比較的短距離であるため、室温での強磁性発現は困難であることを明らかにした。一方、半導体へのスピン偏極電子注入の高効率化を実現するための指針を得るために、バルクにおいて高いスピン偏極率を有するホイスラー合金CO_2CrAlと半導体GaAsとのヘテロ接合界面における電子状態を第一原理計算した結果、(110)界面においては高いスピン偏極率が界面付近においても保持されることを見出した。(白井) 局在スピン間にRKKY相互作用がはたらく系に固有なデコヒーレンスが存在することを示し、2次元電子系に配置された量子ドット内の局在スピンのデコヒーレンス時間を評価した。また、量子ドットをスピントランジスタで結合した系において、Rashbaスピン軌道相互作用を用いて半導体人工分子のスピン状態を制御できることを示した。クーロンブロッケード領域でのトンネル磁気抵抗を解析し、Co微粒子の電子スピン緩和時間がバルクの値に比べて著しく長いことを明らかにした。更に、強磁性体/超伝導体/強磁性体二重接合系の磁気抵抗に関する研究を行った。(今村) シリコン量子ドットの電子状態をモデル計算し、伝導帯の多谷構造を反映して離散準位の縮退が残り、高スピン状態が容易に実現できることを明らかにした。また、シリコン量子ドットを複数結合した系における電子スピン間の反強磁性結合の大きさを評価した。一方、量子ドットを埋め込んだAharonov-Bohmリングにおける有限バイアス下での非平衡輸送特性に対する電子格子相互作用の影響を調べた。更に、量子ドット中に複数の準位がある場合の電子スピン状態と輸送現象の研究を行い、リード中の伝導電子とのコヒーレンスに起因する近藤効果と電気伝導特性を調べた。(江藤)
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