2002 Fiscal Year Annual Research Report
不揮発性磁気メモリ(MRAM)の高速・大容量化に関する研究
Project/Area Number |
14076202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪俣 浩一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90323071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手束 展規 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40323076)
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Keywords | 不揮発性固体磁気メモリ / スピン反転磁場 / 反平行結合膜 / 磁気力顕微鏡 / トンネル磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
本研究は,不揮発性固体磁気メモリ(MRAM)の開発を目指し,その大容量化の際の最重要課題であるスピン反転磁場の低減法に関するものである.スピン反転磁場低減の方法として,反平行結合膜(強磁性体/非磁性体/強磁性体)を用いることを考えた.つまり,実行磁化の値を小さくし,また,低アスペクト比でも単磁区構造を得ることを期待した.試料は,超高真空スパッタ装置を用いて成膜し,その後電子線リソグラフィー,イオンミリングを用いて微細素子を作製した.強磁性体としてCo_<90>Fe_<10>を,非磁性体としてRuを用いた.MFM(磁気力顕微鏡)により試料の磁区観察を行った結果,微細反平行結合膜(素子幅:0.5〜2μm)では両強磁性層の膜厚を最適化することで,アスペクト比が1の場合でも単磁区構造を示すことが明らかとなった.また,これらの単磁区構造を示した試料について,Kerr効果測定装置によりスピン反転磁場を測定した結果,両強磁性層の結合力が充分強い場合,そのスピン反転磁場は素子サイズに依存しないことが明らかとなった.次いで,反平行結合膜をフリー層とする微細強磁性トンネル接合(接合幅:0.25〜100μm)を作製し,磁気抵抗曲線からそのスピン反転磁場の測定を行った.この結果,スピン反転磁場は,この接合幅範囲でも変化せず,一定であることが分かった.これらの結果から,反平行結合膜はMRAMの記憶層として有効であることが分かった.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 小池 伸幸: "反平行結合膜の微細加工素子における磁化状態"日本応用磁気学会誌. 27巻・4号. (2003)
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[Publications] N.Tezuka: "Magnetization reversal and domain structure of antiferromagnetically coupled submicron elements"J.Appl.Phys.. 93・10. (2003)
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[Publications] N.Tezuka: "Single domain observation for synthetic antiferromagnetically coupled bits with low aspect ratios"Appl.Phys.Lett.. 82・4. 606-606 (2003)
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[Publications] K.Inomata: "Magnetic switching field and giant magnetoresistance effect of multilayers with synthetic antiferromagnetic free layers"Appl.Phys.Lett.. 81・2. 310-312 (2002)
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[Publications] 野崎 隆行: "反平行結合フリー層を用いたGMRスピンバルブ膜の磁化反転特性"日本金属学会誌. 66巻・11号. 1078-1082 (2002)
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[Publications] N.Tezuka: "Switching fields behavior in antiparallely coupled submicrometer scale magnetic elements"J.Magn.Magn.Matter.. 240. 294-296 (2002)
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[Publications] K.Inomata: "MRAM技術"Sipec. 206 (2002)