2003 Fiscal Year Annual Research Report
不揮発性磁気メモリ(MRAM)の高速・大容量化に関する研究
Project/Area Number |
14076202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
猪俣 浩一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90323071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手束 展規 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40323076)
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Keywords | ホイスラー合金 / トンネル磁気抵抗効果 / 磁気モーメント / 反平行結合素子 / MRAM |
Research Abstract |
RFマグネトロンスパッタリング装置にて熱酸化膜付きSi基板上にCo_2(Cr_<1-x>Fe_x)Al薄膜を作製し,その構造と磁気特性,およびトンネル磁気抵抗特性を調べた.その結果,次の事柄が明らかになった.(1)Feの添加量の増加に伴い構造がB2構造からA2構造に変化する.(2)x=0〜0.6での磁気モーメントはL21やB2構造で想定される磁気モーメントよりかなり小さい.X線の構造解析では観測されないCo-Cr間のディスオーダーが生じていると推察される.(3)CCFA(x=0.4)薄膜を用いたMTJにおいて,室温で最大19%(5K:27%)のTMRを得た.SiO_2やAl-Ox絶縁層上部に作製した無配向多結晶膜を電極とした場合にもMRが得られたのはハーフメタル材料では初めてである. 反平行結合膜をフリー層とするMTJを作製し,そのスイッチング磁場と素子サイズの関係を調べた.フリー層が単層膜の場合,素子サイズの微細化に伴いスイッチング磁場が急激に増大していくのに対し,反平行結合膜素子の場合,アスペクト比が1の時,スイッチング磁場は素子サイズによらず一定であった.この際,レマネンスの値はほぼ1であり,反平行結合膜層が記録層として機能していることが明らかとなった.また,これらの接合を焼鈍した結果,最大で約40%のTMR比を得,耐熱性が300度であることが分かった.これらのことより,反平行結合膜素子は大容量MRAMのフリー層に適していることが分かった
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡村寛志ら: "Co_2(Cr_<1-x>,Fe_x)Alフルホイスラー合金を用いたMTJの磁気抵抗効果"日本応用磁気学会誌. 28. 172-175 (2004)
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[Publications] 岡村寛志ら: "Co_2(Cr_<1-x>,Fe_x)Alフルホイスラー合金の構造と磁気伝導特性"日本金属学会誌. 68(印刷中). (2004)
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[Publications] Koichiro Inomata, et al.: "Large Tunneling Magnetoresistance at Room Temperature using a Heusler alloy with the B2 structure"Jpn.J.Appl.Phys.. 42. L409-L412 (2003)
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[Publications] Koichiro Inomata, et al.: "Magnetoresistance in tunnel junctions using Co_2(CrFe)Al"J.Appl.Phys.. (in press). (2004)