2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076204
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今村 裕志 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30323091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老澤 丕道 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90005439)
林 正彦 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60301040)
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
|
Keywords | スピントロニクス / クーロンブロッケード / アンドレーエフ反射 / スピントランジスタ / 半導体人工分子 / ナノ粒子 / 量子ドット / RKKY相互作用 |
Research Abstract |
近年の微細加工技術の進歩により、半導体量子ドット・量子細線、また金属ナノ粒子などのナノメートルスケール領域に閉じこめられた電子のスピン自由度を上手に使って有用なデバイスを作り出そうというナノスピントロニクスと呼ばれる分野が注目を集めている。量子ドットは現在のナノテクノロジーを支える重要な部品の一つであり、原子との類似からしばしば半導体人工原子と呼ばれる。量子ドットを量子細線でつなぐことにより半導体人工分子を作ることも可能である。このような半導体人工原子・分子を用いたナノスピントロニクスデバイスを実現するためには、量子ドット内のスピン状態を人工的に制御することが重要である。また、金属ナノ粒子は室温でのクーロンブロッケード効果が観測されており、室温で動作する量子デバイス実現に向けた研究が盛んに行われている。 本年度は、半導体および金属両方の材料からなるナノ構造における電子-スピントロニクスデバイスのデザイン研究を行った。局在スピン間にRKKY相互作用がはたらく系に固有なデコヒーレンスが存在することを示し、2次元電子系に配置された量子ドット内の局在スピンのデコヒーレンス時間を評価した。また、量子ドットをスピントランジスタで結合した系において、Rashbaスピン軌道相互作用を用いて半導体人工分子のスピン状態を制御できることを示した。クーロンブロッケード領域でのトンネル磁気抵抗を解析し、Co微粒子の電子スピン緩和時間がバルクの値に比べて著しく長いことを明らかにした。更に、強磁性体/超伝導体/強磁性体二重接合系の磁気抵抗に関する研究も行った。
|
Research Products
(10 results)