2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今村 裕志 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30323091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老澤 丕道 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90005439)
林 正彦 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (60301040)
高橋 三郎 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60171485)
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Keywords | 量子情報 / スピン注入 / スピンホール効果 / 量子情報転写 / スピン流 / 量子ドット / 偏光 / 磁壁 |
Research Abstract |
1.光子-電子スピン量子メディア変換を量子力学的モデルで記述し、一光子の偏光状態から電子のスピン状態へ量子情報が転写される過程のダイナミクスを解析した。詳細な解析の結果、高い転写確率を得るためには、光子-量子ドット結合強度と量子ドットからのホールのトンネルレートの両方を入射光子のスペクトル幅よりも大きくとり、かつ、マッチング条件を満たす必要があることを明らかにした。 2.非磁性金属中における伝導電子の不純物によるスピン軌道相互作用の強さを評価する方法を提案した。非磁性金属中のスピン拡散長λ_Nと抵抗率ρ_Nの積をとり、スピン軌道散乱に対してフェルの黄金則を用いると、λ_<NρN>〜R_K/(η_<so>k^2_F)の関係が得られる。ここに、R_Kは量子抵抗、η_<so>はスピン軌道相互作用の結合定数、k_Fはフェルミ波数である。この関係式は、スピン軌道相互作用の結合定数の新しい評価法を与える。いくつかのグループで得られたCuやAlに対するλ_<NρN>の実験値を用いると,η_<so>=0.01〜0.04と評価される。 3.非局所スピン注入法を用いたスピンホール効果を提案した。非磁性金属中に発生する純粋なスピン流は、スピン軌道散乱(主としてskew散乱)によって、η_<so>とスピン流に比例した異常ホール効果を引き起こす。上記のスピン軌道相互作用の結合定数の値を用いると,非局所ホール抵抗の値は〜0.1mΩと見積もられる。AlやCuを用いた非局所スピンホール素子を作成すれば、非局所スピンホール効果の観測が充分可能である。 4.スピン流と磁壁の相互作用を記述する微視的な理論を構築し、電流による磁壁移動の運動方程式を提案した。流体力学で用いられている物質微分の概念を導入し、強磁性共鳴において用いられてきた従来のGilbert緩和項の問題点を修正し、さらにエネルギー保存に対する考察から、運動する磁壁が外部回路に対して電圧を生じることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)