2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 淳 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10209108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝川 貴司 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90251397)
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Keywords | 磁性半導体 / 光電子分光 / 磁気伝導 / 室温強磁性 / 軌道混成 |
Research Abstract |
最近、室温を越える強磁性キューリー温度が報告され話題となっているZnGeP_2:MnおよびGa_<1-x>Mn_xNの電子構造を、内殻光電子分光および共鳴光電子分光を用いて調べた。 (1)カルコパイライト型半導体ZnGeP_2表面にMnを蒸着し過熱することによって得られる室温強磁性体をin situ光電子分光により調べた。内殻光電子分光法を用いて化学組成や原子価を調べ、共鳴光電子分光法を用いてMn 3dの状態を観測した。さらにSQUIDを用いて磁性の評価を行った。最表面のスペクトルは金属的であるが、熱拡散したMnの一部が固体内部で母体のZnGeP_2と化学反応して価数が変化することがわかった。固体内部でのMnの価数は2価で、局在モーメントを形成していることを示唆するデータを得た。どのような化学組成の物質が強磁性を担っているかは、今後明らかにしていく必要がある。表面をイオン・スパッタで除いても磁性が大きく変化しなかったことから、強磁性はMnがZnGeP_2と反応した固体内部に由来すると考えられた。また、価電子帯頂上には明瞭なフェルミ端が観測され、高濃度な正孔がドープされていることがわかった。強磁性を媒介していると考えられる正孔キャリアーの起源として、2価Mnが4価Geを置換して正孔を生成している可能性や、格子欠陥で正孔が生成されている可能性を考えた。 (2)Ga_<1-x>Mn_xNの基本的な電子構造を調べ、強磁性出現の可熊性を探るために、内殻光電子分光及び共鳴光電子分光実験を行った。共鳴光電子分光により得られたMn 3d部分状態密度は約4eV付近に強いピークを示した。母体との混成の強さとp-d交換相互作用の大きさを、クラスターモデル解析で評価した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Ono: "Fabrication, Magnetic Properties, and Electronic Structures of Nanoscale Zinc-Blende MnAs Dots"J. Appl. Phys.. 91. 8088-8092 (2002)
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[Publications] M.Oshima: "Photoelectron Spectroscopy of Magnetic Dots and Magnetic Semiconductor Nanostructures, Proceedings of International Symposium on Artificial and Natural Nanostructures (ANN01)"Int. J. Mod. Phys.. (印刷中).
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[Publications] K.Sato: "Mn-Doped Chalcopyrites"J. Phys. Chem. Solids. (印刷中).