2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14076212
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 祐司 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 講師 (60302981)
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Keywords | レーザー分子線エピタキシー / コバルト添加二酸化チタン / 磁気光学 / EXAFS, XANES / コンビナトリアル薄膜法 / 3元組成傾斜膜法 / 磁性超伝導 |
Research Abstract |
【研究目標】 1回の実験で多種類の試料を合成・評価することができるコンビナトリアル分子線エピタキシー法を用いて、酸化物薄膜をベースとした新しいスピントロニクス機能を有する材料の高速探索と物性評価を行う。原子層レベルで制御されたエピタキシー技術により、酸化物磁性超格子やナノ構造をデザインし、構造と磁気物性との関係を高速、かつ系統的に調べる。 【研究成果1】超平坦化TiO_2伝導性単結晶基板上の高品質Co:TiO_2薄膜の磁気特性 Nbを添加していないルチル基板上に酸素圧10^<-5>Torr以上で作製したCo:TiO_2薄膜は、絶縁性で強磁性を示さない。そこで、Nbを添加したルチル単結晶基板を用いて、基板からCo:TiO_2層へのキャリア注入効果を利用して、強磁性を発現させることを試みた。Nb:TiO_2ルチル基板上に、酸素圧10^<-5>Torr、300度で、膜厚が、それぞれ、5、10、20nmのCo:TiO_2薄膜を作製し、光カー効果により磁気特性を調べた。その結果、膜厚が、10、20nmでは、これまでと同様に、強磁性的性質は確認されなかったが、膜厚が5nmのもののみ、わずかながらも、カー回転の強磁性的ヒステレシスが観測された。 【研究成果2】二酸化チタン電界効果トランジスタの試作 Co:TiO_2薄膜の強磁性発現に重要なキャリア量を物理的に制御した電界効果デバイスの開発に着手した。まず始めに、ルチル単結晶を半導体層とする電界効果デバイスを作製し、その動作特性を調べた。その結果、基板表面を超平坦化処理することで、安定したトランジスタ特性を実現するとともに、結晶方位に依存した移動度の異方性の観測に成功した。 【研究成果3】磁性超伝導Ru1222薄膜の高品質化 強磁性と超伝導が共存するRu1222化合物薄膜の高品質化をフラックス固相エピタキシー法により実現した。それによって、磁化特性に大きな方位依存性があることが初めて明らかとなった。
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