2002 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドットを用いたスピン量子操作のための材料系および機能探索
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14076218
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石橋 幸治 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (30211048)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 量子ドット / クーロンブロッケード |
Research Abstract |
本研究では、量子ドット中にクーロンブロッケード効果を利用して単一の電子スピンを発生させ、それを制御することを目的としている。そのための量子ドット材料として、従来の半導体材料に加えてカーボンナノチューブやフラーレンを検討する。これは、半導体材料では、スピン操作の基本となるg因子が多体効果を受けて複雑な振る舞いをするため、デバイスプロセス技術は確立されている反面、このような使いにくさがあり、材料探索は重要な課題である。そこで、最近我々が研究を行っているカーボンナノチューブ量子ドットをスピン操作の対象とすることを検討している。スピン操作には、スピンの発生(入力)、スピンの操作(演算)そしてスピンの読み出し(出力)からなる。カーボンナノチューブ量子ドットに限らずこれらに関してはまだほとんど研究が行われていない。そこで、スピン操作は磁気共鳴やスピン歳差運動を利用することになるが、スピン発生に関して2つの手法を検討した。1つ目は、外部静磁場を印可しておき基底状態が利用できる。2つ目は、外部静磁場を用いないもので、スピン偏極電子を持つ磁性体電極から量子ドットヘスピンを注入することになる。スピンの読み出しにはスピンバルブ効果を利用することになるだろう。本年度は、これらの基本的な概念を検討し、カーボンナノチューブを利用してどのように実際に実験を進めてゆくかを検討した。カーボンナノチューブ量子ドットの形成の最大の課題は、トンネル障壁を以下に制御性よくさくせいすることである。そこで、イオンビームを局所的に照射する方法を検討し、従来よりも再現性よく量子ドットを作製できる見通しを得た。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Ishibashi, M.Suzuki, D.Tsuya, Y.Aoyagi: "Fabrication of single electron transistors in multi-wall carbon nanotubes by using Ar beam irradiation"Microelectronic Engineering. (in press).