2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体・金属グラニュラー構造の非線形磁気伝導現象の解明とデバイス応用
Project/Area Number |
14076219
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋永 広幸 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (90221712)
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Keywords | 磁気抵抗効果 / 磁気抵抗スイッチ効果 / 半導体 / 金属 / ハイブリッド構造 / 非線形磁気伝導 |
Research Abstract |
半導体・金属ハイブリッド構造で観測される磁気抵抗スイッチ効果は、その非線形な電流-電圧特性が、磁場によって線形性を取り戻す効果であると見なすことが出来る。この非線形性の起源を明らかにするために、平成14年度は、磁気抵抗スイッチ効果の発現に必要な構造条件を明らかにすることを試み、半絶縁性GaAs表面に金の電極からなるナノメートルスケールのギャップを作製した構造において、磁気抵抗スイッチ効果を観測することに成功した。この結果をもとに平成15年度は、ウエットプロセスで、磁気抵抗スイッチ効果を示す素子を作製することに試み、ドライプロセスで作製した素子とほぼ同様な性能にまでデバイスパフォーマンスを向上させることに成功した。これは、本プロジェクトの最終目標である非線形磁気伝導現象を解明するためにはGaAs表面の電子状態制御が重要であると考えたからであり、GaAs表面を系統的に変化させることが出来るようなギャップ作製プロセスを再検討した結果である。副次的な成果として、ウエットプロセスで作製した素子は、磁気抵抗スイッチ効果をより再現性良く発現し、かつデバイス動作環境の変化に対して安定した特性を示すことが明らかになった。平成16年度は、上記の研究をさらに押し進めた。残念ながら、GaAs表面の電子状態制御と磁気抵抗スイッチ効果との相関を得ることはまだ成功していないが、素子が非常に安定した特性を示すことから、その電流-電圧特性とエレクトロルミネッセンス特性の評価を詳細に行うことが出来た。その結果、非線形磁気伝導特性の起源の理解を進めるための知見を得ることが出来た。
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Research Products
(3 results)