2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14077204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 公伯 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80225614)
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Keywords | 超強光子場 / OPCPA / Ti: sapphire hybrid / クラスター / 中空ファイバー / 白色光発生 / 超高速2次元干渉像計測 / ポンプ・プローブ / 位相シフト |
Research Abstract |
本年度では、開発を終えたOPCPA/Ti : sapphireハイブリッドレーザーシステムを用い、強光子場とクラスターの相互作用の解明にも利用可能な超高速2次元干渉像計測法を開発し、クラスター生成の際に利用可能なヘリウムガスジェットのトンネル電離の様子を観測した。またプラズマを利用した電子加速として大エネルギーPWレーザーを用いた長尺プラズマチューブによる電子加速の実験を試みた。 超強光子場中にクラスタージェットがさらされれば極端な屈折率変化が生じるとされている。このような屈折率変化を実験的に捉えることでクラメター分子と光子場との相互作用を解明することも可能と考えられる。本年度ではOPCPA/Ti:サファイアハイブリッドシステムを用いて、このような低密度ガスの超高速時間変化を2次元で捉える計測法を開発した。計測では時間的に離れた二つプローブパルスを利用する。プローブパルスは中空ファイバーを利用した白色光発生とチャープミラーを利用したパルス圧縮により発生した14fsのパルスを利用した。こうすることでプローブパルスの帯域を十分に広げ、高速の時間応答を可能にした。プラズマを生成するポンプ光の後に、先行するプローブパルスと後続するプローブパルスをプラズマ周期分隔てて送り込む。被写体を通過した二つのプローブパルスは、何もしなければお互いに干渉することもない。これに対し、二つのプローブパルスによるイメージを観測する検出器の前に狭帯域フィルターを挿入すれば、フィルターを透過する成分はパルス幅が伸び、お互いに干渉することになる。例えばこの干渉により二つのパルスがお互いに打ち消しあう関係に調整し、プラズマ密度に高速の時間変化がなければ全体が暗線となるが、高速の時間変化を伴う場合はその部分だけが相対的な位相シフトを受け、その部分は明るくなって見えることになる。このような手法を利用すれば、数十フェムト秒の時間スケールで2次元的に変化するプラズマの様子をシングルショットで捉えることができる。具体的には、この手法によりヘリウムガスジェットのイオン化の空間分布を捉えた。一価イオンのみの部分、一価及び二価の混ざり合った領域、そして二価のみのヘリウムイオンからなる領域を区別して捉えることができた。
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