2003 Fiscal Year Annual Research Report
高出力レーザーパルスの波形・位相制御とアト秒パルス発生
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14077208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡部 俊太郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (50143540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関川 太郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (90282607)
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Keywords | 超短パルス / 高出力レーザー / 高次高調波 / XUV光 / アト秒パルス / 超閾イオン化 / 広帯域波長変換 |
Research Abstract |
高繰り返し(1-5kHz)サブTW級チタンサファイアレーザーの広帯域波長変換で10fs以下のパルス(400nm)を得たが、単一ミラーによる縮少系を使ったため、収差による空間チャープがあることがわかった。これを2枚ミラー望遠鏡により補正し、集光点で10fsが得られることを確認した。 パルス幅を測るには2光子過程が必要であるが、XUV域では既に1光子でイオン化が起きる。したがって、2光子過程は超閾イオン化(もう1光子吸収するイオン化)を使わなければならない。超短パルスKrFレーザー5次高調波(25eV)を用いて、Xe, Ar, Heにおいて光電子スペクトルをカウントダウン法で測定することにより、初めて超閾イオン化を観測した。この結果は2004年量子エレクトロニクス国際会議に招待されている。(Phys. Rev. Lett.に投稿中) 更に上記チタンサファイアレーザーの2倍波(10fs)を励起光として用い、9次高調波(27.9eV)によるHeの2光子超閾イオン化を用いて、9次高調波パルスの自己相関測定に世界で初めて成功した。パルス幅は1.3fsであり、測定されたパルス幅としては世界最短である。またこのように短いパルスは励起パルスの立ち上がりで発生したものであり、発生方法としても新しい単一高調波によるパルス幅としても最短である。また可変鏡を用いて、レーザービームの空間位相を遺伝的アルゴリズムより制御して高次高調波の高出力化を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kanai, Z.Zhou, T.Sekikawa, S.Watanabe, T.Togashi: "Generation of sub-TW, sub-10 fs blue pulses at 1-5 kHz by broadband frequency doubling"Optics Letters. 28. 1484 (2003)
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[Publications] T.Shimizu, T.Sekikawa, T.Kanai, M.Itoh, S.Watanabe: "Time-Resolved Auger Decay in CsBr by Using High Harmonics"Physical Review Letters. 91. 17401 (2003)
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[Publications] T.Sekikawa, T, Kanai, S.Watanabe: "Frequency-Resolved optical gating of Femtosecond pulses in the extreme ultraviolet"Physical Review Letters. 91. 103902-1-103902-4 (2003)
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[Publications] T.Kanai, T.Kanda, T.Sekikawa, S.Watanabe: "Generation of VUV light below 160nm in KBBF crystal by the 5th harmonic of a single-mode Ti : sapphire laser"J.Opt.Soc.Am.B.. 21. 370-375 (2004)
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[Publications] D.Yoshitomi, J.Nees, N.Miyamoto, T.Sekikawa, T.Kanai.G Mourou, S.Watanabe: "Phase-matched enhancements of high-harmonic soft X rays by adaptive wave-front control with a genetic algorithm"Applied Physics B. 78. 281-286 (2004)
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[Publications] 渡部俊太郎: "私の発言"O plus E. 25. 620-623 (2003)