2004 Fiscal Year Annual Research Report
高速拡散過程とトンネルイオン化過程の非線形ダイナミクス
Project/Area Number |
14077220
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 寧 立命館大学, 理工学部, 助教授 (30388128)
中田 俊隆 立命館大学, 理工学部, 教授 (20237308)
篠原 晋 ATR適応コミュニケーション研究所, 研究員 (10318793)
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Keywords | クラスター / トンネルイオン化 / 力学系理論カオス / 半古典理論 / 複素力学系 / 合金化 / 拡散過程 / 多次元トンネル効果 |
Research Abstract |
<高速拡散過程の研究> クラスター高速合金化を支配する高速拡散の素過程の詳細を解析し支配的な反応経路が存在する研究を進展させた。まだその支配過程が完全には解明されていないが、数値実験から得られた活性化エネルギーを説明できる候補はかなり絞られてきた。一方昨年度から進展させてきたアルカリハライドクラスター系の高速混晶化現象のsimulationが軌道にのり近距離力とは非常に異なる拡散過程が存在する事が明らかになってきた。特に単種クラスターでも構成イオンの半径比が大きい場合には顕著な<カオス的遍歴>現象を示す事があきらかになってきた。シミュレーションはイオン半径比が拡散を支配するという実験の大筋を説明するが実験との完全な対応を得るには更に研究を進展させる必要がある。 <トンネルイオン化過程の研究> 動的トンネル問題に関して漸近極限において我々が証明した基本定理''カオス的トンネル集合(我々がいうLaputa集合)がJulia集合内で稠密である''と現実の有限時間の計算の比較がカオスの理想極限の馬蹄形極限、双曲極限の場合、現実的局面である混合相空間の場合それぞれに関して対比され、その整合性が明らかになると同時に双曲極限や混合相空間の場合に特徴的に見られる多世代階層構造の数学的意味が解明された。数学的極限では見えない実際の波動関数の構成にあたって定理の有効性と限界が明瞭になった。一方、多次元障壁トンネル問題の周期的摂動モデルの研究では観測量であるトンネルスペクトルの計算を行いトンネルスペクトルは我々が主張するトンネル機構が動作する領域で従来の理論が予言するものと著しく異なる特徴的形状を持つ事が明らかになりつつある。
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Research Products
(6 results)