2004 Fiscal Year Annual Research Report
巨大オキソクラスターの特長を利用した微空間反応場の創製
Project/Area Number |
14078207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引地 史郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10282857)
内田 さやか 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10361510)
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Keywords | タングステンペロキソ二量体 / 固定化触媒 / オレフィン / エポキシ化 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
(1)二核タングステンペルオキソ錯体触媒による水中でのアリルアルコールエポキシ化反応 二核タングステンペルオキソ錯体K_2[{W(=O)(O_2)_2(H_2O)}_2(μ-O)]・2H_2O (W2)が、過酸化水素を酸化剤とする水中での種々のアリル型アルコールのエポキシ化反応に対し高い触媒活性を示すことを見出した。W2を触媒として用い水中で種々のアリルアルコールのエポキシ化反応を行うと、オキシラン環の開環反応に伴うトリオールの生成はほとんど観察されなかった。いずれの基質を用いた場合も過酸化水素の有効利用率は90%以上であった。1級のアリルアルコールに対して反応はほぼ定量的に進行し、アルデヒドやカルボン酸を副生することなく対応するエポキシアルコールを与えた。分子内に二重結合を二つ有するゲラニオールは、アリル位の二重結合のみが位置選択的にエポキシ化された。 (2)イオン性液体をアンカーとする新規固体触媒の開発 次にW2の固体触媒への展開について検討した。本研究ではジヒドロイミダゾリウムカチオン部位を有するイオン性液体で表面修飾したSiO_2を新規に調製し、W2触媒の固定化を行った。この固定化触媒を用いて各種オレフィン類を基質として反応を行うと反応は高選択的に進行し、アリル酸化生成物や生成したエポキシドの逐次的加水分解によるグリコールなどはほとんど生成しなかった。本反応系では、内部オレフィンに対して特に高活性を示した。cis-およびtrans-オレフィンは、二重結合周りの立体を保持したまま立体特異的に反応が進行したことから、非ラジカル的な活性酸素種により進行しているものと考えられる。アリル型アルコールのジアステレオ選択性は、W2を用いた液相均一系でのエポキシ化反応の場合と同程度であった。固定化触媒では反応中の溶液への活性成分W2の溶出は認められず、触媒の再使用も可能であった。
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Research Products
(6 results)