2005 Fiscal Year Annual Research Report
巨大オキソクラスターの特長を利用した微空間反応場の創製
Project/Area Number |
14078207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
引地 史郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10282857)
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Keywords | ポリオキソメタレート / タングステン / バナジウム / チタン / 酸化反応 / 過酸化水素 / ラクトン / オレフィンエポキシ化 |
Research Abstract |
アニオン性金属酸化物クラスター分子であるポリオキソメタレートの精密分子構造制御について検討し、新規な金属酸化物クラスター分子の合成と反応特性の解明を行った。二原子欠損型タングストケイ酸アニオン[γ-SiW_<10>O_<36>]^<8->の部分プロトン化体である[γ-SiW_<10>O_<34>(H_2O)_2]^<4->の有機溶媒中における二量体化により、20個のタングステンから構成される2種類の新規ポリオキソメタレートが生成することを見出し、それらの分子構造を決定した。この二量体化に際してプロトンを共存させた場合には末端アクア配位子を含みS字型の分子構造を有するクラスター[{γ-SiW_<10>O_<32>(H_2O)_2}_2(μ-O)_2]^<4->が生成するのに対し、プロトンが存在しなかった場合には閉環型分子構造を有するクラスター[(γ-SiW_<10>O_<32>)_2(μ-O)_4]^<8->が生成することが明らかになった。さらに新規ポリオキソメタレートおよび[γ-SiW_<10>O_<34>(H_2O)_2]^<4->の触媒特性の比較を行い、S字型構造を有するクラスターのみが過酸化水素を酸化剤とするケトン類のラクトンへの変換反応であるBaeyer-Villiger酸化に高い触媒活性を示すことを見出した。 一方[γ-SiW_<10>O_<36>]^<8->に+5価バナジウムあるいは+4価チタン種を作用させることで、稜共有型二核金属活性点を有する新規なポリオキソメタレート触媒[γ-SiV_2W_<10>O_<38>(OH)_2]^2および[{γ-SiTi_2W_<10>O_<36>(OH)_2}_2(μ-O)_2]^<8->の合成および分子構造決定に成功した。これらのポリオキソメタレート触媒を用いた過酸化水素を酸化剤とするオレフィンエポキシ化反応において、触媒中の稜共有型二核金属中心近傍の立体的かさ高さを反映した特異な反応選択性が発現することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)