2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14078219
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高井 和彦 岡山大学, 工学部, 教授 (00144329)
|
Keywords | 動的錯体 / タンタル / アルキン錯体 / シリルアセチレン / 配位子交換反応 / 環化三量化反応 / 三置換ベンゼン |
Research Abstract |
タンタル-アルキン錯体を用いる実践的な触媒反応の開発を目的に、活性種である錯体の動的挙動を解明した。 五塩化タンタルと亜鉛から系中で発生できる低原子価タンタルを利用して、アルキンとアルデヒドなどの不飽和有機化合物の高選択的カップリング反応の開発を進めてきた。その研究の過程で、この反応の中間体に相当するタンタル-アルキン錯体TaCl_3(η^2-R^1C≡CR^2)(dme)(dme=1,2-ジメトキシエタン)を単離するとともに、単結晶X線構造解析によりアルキンがタンタル中心にη^2で配位していることを明らかにした。今年度は、とくにアルキン部位に嵩高いトリメチルシリル基をもつタンタル錯体を合成し、その構造を解明した。さらに、得られたトリメチルシリルアセチレンの配位したタンタル錯体と種々の有機分子との反応性を調べた。η^2でタンタル中心に配位したシリルアセチレンは、内部アルキンと分子間で配位子交換反応を起こすことがわかった。これは、ジアルキルアセチレンの配位したタンタル錯体では見られなかった反応である。一方、末端アルキンをタンタル-シリルアセチレン錯体に作用させると、発熱とともに環化三量化反応が触媒的に進行し、トリアルキルベンゼンが定量的に生成した。このとき、鎖状重合体は全く生成しなかった。得られた三置換ベンゼンは1,2,4-体と1,3,5-体の混合物であり、その位置異性体比は73/27と、ほぼ統計的分布に従っていた。
|
Research Products
(4 results)