2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14080204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小屋口 剛博 東京大学, 地震研究所, 教授 (80178384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 弘忠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80185355)
高木 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30272371)
伊藤 伸泰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70211745)
井田 喜明 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (30013535)
亀田 正治 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (70262243)
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Keywords | 火山噴火 / 数値モデル / マグマの上昇 / 火山噴煙 / 火砕流 / 混相流体力学 |
Research Abstract |
本年度は,「火道流モデル」および「噴煙モデル」の研究について以下のような成果が得られた. 火道流モデルに関連する素過程の物理については,高粘性流体の急減圧流動装置および相変化を含む衝撃波管実験装置が完成し,急減圧に伴う気泡の成長,高速流動現象を再現することに成功した.これらの現象の基礎的な物理を解明するために,急減圧に伴う気相核形成の分子動力学モデルや気泡の変形を再現する新数値手法が開発され,解析が進んだ.さらに衝撃波管におけるマグマの破砕に関するモデルが構築され,素過程モデルを実際の火山噴火現象に拡張する体制が整った.火道流モデルについては,定常流について(1)気泡核形成(2)気泡の成長とマグマの破砕(3)脱ガス効果を取りこむモデルが完成し,さらに,これらのモデルについて,解析解に基づいてマグマの物性や地質条件に対する依存性が詳細に調べられた.非定常なマグマの上昇流についても,脱ガス効果を含むモデルや溶岩ドーム噴火におけるマグマの上昇モデルの開発が進みつつある. 火山噴煙モデルについては,乱流混合を定量的に再現する3次元火山噴煙モデルの構築に成功し,火砕流の発生条件や噴煙の高度を定量的に再現することが可能となった.従来の国内外で開発されていた噴煙や火砕流の数値モデルにおいては,大気と噴煙の乱流混合を正確に再現できていなかったため,火山噴火現象を定性的にしか予測することができなかった.本3次元火山噴煙モデルは乱流混合を定量的な議論に堪える精度で再現することに成功した世界初の噴煙モデルであり,本計画研究の特筆すべき成果の一つである.火砕流のモデルについては,粉体の流動化に対する熱輸送の影響などの素過程に関する解析が進むと同時に,堆積物の分級過程する新たなモデルが提案された.
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Research Products
(6 results)