2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14081206
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
奥田 晶彦 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60201993)
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Keywords | ES細胞 / 未分化状態 / 多能性・自己増殖性 / 腫瘍原性 / 組織幹細胞 / UTF1 / JAM-B / Nucleostemin |
Research Abstract |
本特定領域発足時から行っていた初期胚特異的転写補助因子UTF1のESが持つ腫瘍原性への関与に関するデータをまとめ、昨年6月にMol.Cell.Biol.に発表した。その後、UTF1のダブルノックアウトES細胞の樹立に向けて研究を行っており、一対の遺伝子座の一方の破壊はできている。今後、もう一方の遺伝子座も破壊し、その細胞を用いて、UTF1の腫瘍原性への関与をより明確にするとともに、そのUTF1の機能を司る下流遺伝子のクローニングを試みたいと考えている。また、UTF1の他、プロモータートラップあるいはGene Chip法を用いた解析から、ES細胞の未分化状態特異的に発現する遺伝子として同定したJAM-B、nucleostemin遺伝子のジーンタゲティングによる解析も行っており、特にstemness遺伝子の一つであるJAM-B遺伝子に関するノックアウトマウス、並びにJAM-BダブルノックアウトES細胞の樹立は完了している。但し、これらマウス・細胞を用いた解析から、JAM-B遺伝子の欠失は、ES細胞、神経幹細胞、血液幹細胞のいずれにおいても、それら細胞の未分化性維持に必須ではないという結果が得られた。これらの結果から、私は、stemness遺伝子の範疇には入らないが、JAM-B遺伝子と、塩基配列のみならず発現パターにおいてもかなり類似しているJAM-Cの存在がJAM-B遺伝子の欠失の影響を緩和しているのではないかと考えている。それ故、私は、現在、ES細胞において、JAM-B/JAM-Cいずれの遺伝子も欠失させ、そして、その細胞の未分化性、神経・血液細胞への分化能等を検討することを目的に実験を進めている。Nucleostemin遺伝子に関しても、遺伝子座の一方の破壊は完了しており、ダブルノックアウトES細胞樹立後は、その細胞の未分化性、腫瘍原性、並びに多分化能を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)