2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082202
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
村松 喬 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (00030891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 寿子 国立大学法人名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (50182134)
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Keywords | スルホトランスフェラーゼ / プロテオグリカン / 神経発生 / 聴覚 / 脳損傷 / ケラタン硫酸 / ノックアウトマウス / ミッドカイン |
Research Abstract |
ミッドカイン遺伝子欠損マウス、プレイオトロフィン遺伝子欠損マウスそして両遺伝子を欠くダブルノックアウトマウスの脳からRNAを採取し、野生型マウスの脳由来のRNAとの間で遺伝子発現の違いを遺伝子チップを用いて調べた。その結果ダブルノックアウトマウスで特異的にベータテクトリンの発現が抑えられていた。ベータテクトリンは内耳に強く発現し聴覚に関与するとされている。そこで内耳で調べた所、ダブルノックアウトマウスでのみベータテクトリンの発現が抑えられていた。変異マウスの聴覚を調べた所、ダブルノックアウトマウスでは完全に失われ、シングルノックアウトマウスではいずれも中程度からやや弱い程度の聴覚異常が認められた。すなわち、ダブルノックアウトマウスではベータテクトリンの減少により強い聴覚異常が起こり、これとは別の機構でミッドカインあるいはプレイオトロフィンの欠損により、程度としては弱いが聴覚異常が生ずる事が分かった。シングルノックアウトマウスにおける異常は聴神経の異常と考えている。すなわち、これまで培養系で示してきたミッドカインの神経発生への関与が個体レベルで判明しつつある。いっぽう、オリゴデンドロサイト前駆体様細胞の神経突起伸長のさいのミッドカイン受容体の新しい成分としてコンドロイチン硫酸プロテオグリカンであるニューログリカンCが同定された。脳の障害時にケラタン硫酸の発現が上昇するが、この合成に関与するGlcNA6ST-1遺伝子をノックアウトしたマウスでは、ケラタン硫酸の合成が認められなくなるとともにグリア瘢痕の形成も大きく低下した。ケラタン硫酸はグリア瘢痕の形成に関与し、結果的に神経系の修復を妨げていると考えられる。
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