2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木下 タロウ 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10153165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (00294124)
村上 良子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00304048)
芦田 久 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (40379087)
森田 康裕 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助手 (70397769)
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Keywords | 遺伝子 / 酵素 / 細胞・組織 / 脂質 / 糖鎖 |
Research Abstract |
平成15年度の成果として報告したPGAP1は、タンパク質に結合直後のGPIアンカーのイノシトールから脂肪酸を除去する脱アシル化酵素である。PGAP1が機能しないとGPIアンカーは3つの脂肪鎖を持ったまま細胞表面に発現してしまう。このとき生体に何が起こるかを知るため、PGAP1ノックアウトマウスをC57BL6系統で作成した。ノックアウト個体の多くは周産期致死を示し、生き残った個体も成長が遅延した。ノックアウト個体の細胞上のGPIアンカー型タンパク質は、ホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼCに抵抗性であったので、予想通り、GPIアンカーが3本の脂肪酸を持った状態で発現していることが確かめられた。雄は不妊であったので、in vitroの受精系で不妊の機序を解析したところ、精子が卵子の透明体に付着できないことがわかった。さらに、交尾させ、雌体内での精子の動きを組織学的に検討したところ、精子が輸卵管を上昇できないことがわかった。この2つの異状は、いくつかの別の遺伝子のノックアウトでも同時に起こることが知られており、共通のメカニズムが関与していることが考えられた。精子上のGPIアンカー型タンパク質のレベルを調べたところ、ノックアウト個体の精子ではCD55などいくつかの蛋白質の量が正常より多かった。GPIアンカーの切断が、精子の妊性獲得に重要であるとの報告もあり、イノシトールからの脂肪酸除去不全がGPIアンカー型タンパク質の精子からの切断除去を阻害している可能性が考えられた。
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Research Products
(4 results)