2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082207
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / コンドロイチン合成酵素 / ヘパラン硫酸 / 細胞分裂 / chondroitin Polymerizing factor / 棟転移酵素 / ガン抑制遺伝子 / EXT |
Research Abstract |
(1)ブタ胎児脳から、海馬ニューロンの突起伸長促進活性をもつコンドロイチン硫酸デルマタン硫酸ハイブリッド鎖を調製し、プレイオトロフィンとの結合を介して活性を発揮する画分を分離精製し、そこからさらに機能ドメインである硫酸化十糖を単離し、配列を決定した。 (2)最近、ヒトのヘパラン硫酸(HS)の重合化が、遺伝性多発性外骨腫の原因遺伝子EXT1とEXT2によりコードされるタンパク質の複合体により起こることが明らかとなった。さらに、EXT1とEXT2との配列の相同性により、さらに3種EXTL 1(EXT-like gene 1),EXTL2,EXTL3が同定され、我々は、この3種の組換え体EXTL1,EXTL2,EXTL3蛋白質が、ヘパラン硫酸の二糖繰り返し領域の生合成に関与するGlcNAc転移活性を有していること明らかにし、これらEXTL familyもHS鎖の生合成に関与することを示唆していた。しかし、EXT1とEXT2とは異なり、HMEの患者において、EXTL familyの変異は見られないことより、これらEXTL familyの生体内での機能は不明であった。Drosophilaでは、HSの生合成に関与する糖転移酵素として、それぞれEXT1、EXT2、EXTL3のorthologであるttv、sotv、botvがクローニングされ、これらの変異体では、HSが劇的に減少し、その結果morphogenのシグナル伝達が異常となることが知られている。今までに我々は、BOTVがGlcNAcを転移する活性をもつことを明らかにしていた。 今回我々は、TTVとSOTVを共発現させた複合体がHS鎖の重合化活性を保持していることを明らかにし、DrosophilaにおいてもHSの重合化機構はヒトのそれに非常に類似していることを明らかにした。さらに、Drosophilaではヒトとは異なり、結合領域を疑似した人工基質上にTTVとSOTVによるHS重合化が起こらなかったことより、EXTL3のorthologであるBOTVによる結合領域への最初のGlcNAcの転移が、HSの伸長に不可欠であることを明らかにした。これらの結果より、TTV、SOTVおよびBOTVは互いに機能的に補い合うことができず、共にHSの生合成に必須であると考えられる。
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Research Products
(5 results)