2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14082207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菅原 一幸 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (60154449)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / rib-1 / へパラン硫酸 / 硫酸基転移酵素 / herpes simplex virus / 線虫 / EXT / chondroitin synthase |
Research Abstract |
活性硫酸合成酵素遺伝子pps-1の線虫欠失変異株を単離したところ、null mutantは幼虫で致死を示した。一方、PAPS合成酵素のRNAiを行い、PAPS合成低下が筋肉のパターン形成や上皮細胞の形態異常などを引き起こし、線虫における上皮組織の成長や構造構築に必須の因子であることを示した。また、ピリミジンのde novo合成とヘパラン硫酸合成がともに線虫の気管形成に必須であることを見いだした。また、ヒトのヘパラン硫酸合成酵素遺伝子である主要なEXTファミリーメンバーEXT-1の線虫のortholog ribー1の機能を解明した。即ち、rib-1ともう一つのホモログrib-2をCOS-1細胞で共発現させることによって、ヘパラン硫酸の重合化を証明した。また、rib-1欠失変異株を単離し、ヘパラン硫酸合成の低下と胎生致死を示し、rib-1遺伝子がヘパラン硫酸合成と胎生期での形態形成に必須であることを示した。 ヒトのchondroitin synthase-3がchondroitin synthase-1あるいはコンドロイチン重合化因子と複合体を形成してコンドロイチン重合活性を発揮することを明らかにした。 ヘルペス単純ウイルス-1の感染に抵抗性を示す培養マウスL細胞変異株gro2Cとsog9ではヘパラン硫酸合成酵素EXT-1が欠損しているが、gro2Cには感染性が残存し、sog9には99%感染性が欠如している原因は不明であった。今回、sog9細胞で、コンドロイチン4-硫酸基転移酵素遺伝子が欠失していること、sog9細胞への正常遺伝子の導入でウイルス感染性が回復し、細胞でのコンドロイチン硫酸E構造の出現と対応することを示し、ヘルペス単純ウイルス-1の感染に細胞表面のコンドロイチン硫酸E構造が深く係っていること、コンドロイチン4-硫酸基転移酵素がE構造の生成に必須であることを証明した。
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