2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083203
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
ダニエルス クリスチャン 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30234553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 恒二 東京外国語大学, その他・理事 (40174156)
大塚 和夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
河合 香吏 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (50293585)
眞島 一郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10251563)
関根 康正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40108197)
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Keywords | 知識の資源化 / 知識の商品化 / 共有 / 秘密化 / 前近代知識 / 風水 / 宗教的知識 / 情報操作 |
Research Abstract |
本研究の目的は、知識がどのように資源化されているのか、その知識が社会でどのように利用されているのか、また、資源化された知識の分配・共有の配列がどのように変化したのかといった過程を明確にし、さらに知識が資源化ないし非資源化されるメカニズムを明らかにするところにある。平成16年12月4日に実施した国際ワークショップの成果を受けて、本計画研究の4年目に当たる本年度においては、知識資源化のメカニズムを重点的に取り上げた。 本年度においては、国際ワークショップの主たるテーマであった伝統知識の再創生の成果を踏まえて、以下の二点を研究・調査した。すなわち、(a)グローバルに伝播する前近代の知識は新しくパッケージ化される、(b)このパッケージ化過程は、一見専門知識が公開されたように見えるが、実は専門知識の核心部分を秘匿することによって知識が専有される構造をもつ、という二点であった。研究分担者は、それぞれフィールドにおいてこの二点について観察と聴取の手法に基づいてデータを収集し、また研究会において知識資源化のメカニズムについて検討を加えてきた。フィールドにおいて、関根はエストニア、ベルギー、イギリス、フィンランド、フランス、アメリカにおける南アジア系移民の宗教生活及び伝統的知識の活用を調査し、宮崎とダニエルスはそれぞれインドネシアと中国で知識資源の創生の調査を実施し、河合はケニア、スーダンの牧畜社会において知識資源化の過程を調査した。 これらの研究活動を通して、知識の資源化ないし非資源化という視点を採ることによって、社会において知識が戦略的、差異的に利用される具体的なメカニズムを観察・分析する基礎が得られた。また、知識の資源化と知識の商品化との間に本質的な懸隔があるもとも明らかになった。なお、本年度の調査成果の一部は、2006年2月に刊行された国際ワークショップの英文論集Remaking Traditional Knowledge ; Knowledge as a Resourceにも所収することができた。
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Research Products
(12 results)