2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春日 直樹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60142668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 敏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60175487)
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
丸山 真人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40209705)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (00188335)
杉山 祐子 弘前大学, 人文学部, 教授 (30196779)
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Keywords | 貨幣 / 贈与交換 / 文化人類学 / 経済理論 |
Research Abstract |
代表者および分担者は、以下のとおりに調査研究を進展させた。まず個別の活動についてみれば、代表者の春日は、フィジーの首都スヴァの都市部周辺地域にて、貨幣資源の浸透が人びとの生活に与える影響について最新データを収集し(8月)、南ドイツでの地域通貨に関する予備調査を実施した(10月)。中川は東インドネシアの換金作物の歴史的文献調査を継続するとともに、マレーシアにて出稼ぎ民の現地調査をおこなった(9月)。栗本は、スーダンの首都ハルツームに居住する南部スーダンからの国内避難民と、アメリカ合衆国のミネアポリスに居住する南部スーダン人とエチオピア人の再定住者(元難民)を対象に、自給自足的な生業経済、あるいは限定的な貨幣経済の状況下で暮らしていた人びとが、貨幣経済の浸透にいかに適応して生活しているかについて資料を収集した。丸山はカナダの地域通貨の調査を継続し、バンクーバー島およびソルトスプリング島を集中的に調査して最新情報を得た(1月)。また田中は、シンガポールにて金貸しを伝統的職業とするチェッティヤール・カーストの調査を開始した。杉山はタンザニア南部農村での現地調査資料の分析を進めるとともに、「情の経済」に関連する文献をレビューし関連の学会で発表した。以上の諸成果については、共同研究会にて発表と討議がおこなわれた。さらに「貨幣資源」の考察を深めるために、他の研究集団との合同研究会を開催し、小商品資源班・文化資源班の研究者たちとの間で実りある議論を展開できた。
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