2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14083208
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (60113429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 健一 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (20241284)
梅津 千恵子 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (40294251)
阿部 健一 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (80222644)
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 助教授 (60214772)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 助教授 (10211723)
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Keywords | 生態史 / グローバル・コモンズ / 順応的管理 / 共同管理 / 海洋資源 / なわばり制 / 循環 / レジリヱンス |
Research Abstract |
平成16年度は、海外および国内の野外調査、資料とサンプル分析、共同研究会を実施し、本研究テーマを関連領域の研究者との間で相互に討議し、大きな成果を得た。 1.野外調査:海外の野外調査を、インド、カナダ、ロシア、ラオス、アイルランド、メキシコにおいて実施した。本研究班では、異なった環境条件下における生物や水資源の利用される空間の共有と占有、獲得された資源の配分のあり方に研究の大きな焦点を当てている。また資源の利用と管理について、国家による上からの管理と統制、共同体や地域を基盤とする下からの自主的な管理の相克が研究の争点となっている。カナダのイヌイットにおけるシロイルカ猟や、チュコト半島の捕鯨の調査から、資源の保護と利用・管理について相克の解決を示す貴重な資料を得ることができた。 ラオスでは氾濫原における資源獲得活動が乾季と雨季とで、資源の種類の変動、利用空間が基本的にオープン・アクセス(自由競争)の原理に基づいているものの、共同作業による漁撈活動では、一定の場所利用の特定化が見られた。メキシコでは遺伝資源のグローバル化が資源利用の空間配置に大きな影響を与える可能性を現地調査から明らかにし、今後現場で検証する必要性のあることを確認した。 2.資料分析:インドにおける灌漑池利用の実態と、メコン河流域における採集サンプルの同定・同位体分析を行なった。 3.国内では、5回の共同研究会を実施し、「森とコモンズ」、「水とコモンズ」、「大型動物とコモンズ」、「財産区」、「水田の生物と地域住民」について、とくにコモンズに関する若手研究者の興味が大きく、活発な議論をおこなうことができた。
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Research Products
(7 results)