2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14084202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀口 剛 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30005558)
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Keywords | パケット流 / ルーチング制御 / 統計物理学 / ネットワークの構造 / コンピュータネットワーク / 確率情報処理 / ニューラルネットワーク / スモールワールド |
Research Abstract |
非常に沢山のコンピュータ(ノード)が結合しているネットワークに対しては、集中処理では制御に限界があり、自律的、適応的な分散処理による適切なパケット流のルーチング制御が必要である。この問題は幾つかの要因を考慮した最適化問題の1つと考えられるため、ニューラルネットワークを用いた制御が適している。本研究では、ニューラルネットワークを各ノード内に配置して、高効率、高信頼性のある自律適応的な並列分散制御を可能にするシステムを提案する。そのために、パケットの送受信を制御する確率的数理モデルを提案して、柔らかい制御を可能にするために統計物理学の手法を用いる。さちに、効率の良いパケット流の送受信を行うのに適したネットワーク構造を解明する。このためには、堀口と石岡(Physica A 297,521(2001))により提案されたパケット流の統計力学的モデルを基本モデルとして採用する。このモデルに優先リンクの概念を導入して、パケットの送信制御を可能にするシステムを構築した(ICONIP'03で発表)。次に効率よい制御を行うために、イジングニューロンを用いたモデルを提案し性能が上がることを示した(学会誌に投稿中)。2層ニューラルネットワークモデルを用い、目的指向学習を導入することにより、パケット流の環境変化に動的に適応できて、さらに高効率な送受信と高スループットを得るシステムの構築を行った(Physica A(2004),掲載予定)。パケット流の渋滞が発生する系に対して渋滞を回避するために、強化学習を導入することにより高効率で高スループットが得られることを示した(Massey大学との共同研究、2003年秋の日本物理学会で発表、学会誌に準備中)。堀口と石岡の基本モデルに対する最適なネットワーク構造は、スモールワールド的な構造を持つことを明らかにした(2003年秋の日本物理学会で発表、2004年1月の電子情報通信学会、NC研究会で発表)。また、最短路通信のみの系に対しての最適なネットワーク構造を構築し、その性質を明らかにした(2004年春の日本物理学会で発表予定)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Horiguchi, H.Takahashi: "Priority Routing Control of Packets by Using Neural Network"Artificial Neural Network and Neural Information Processing, ICAN/ICONIP 2003. 358 (2003)
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[Publications] T.Horiguchi, H.Takahashi, K.Hayashi, C.Yamaguchi: "Ising Model for Priority Routing Control of Packet Flow"Proceedings of 2003 Joint Workshop of Hayashibara Foudation and SMAPIP. 115 (2003)
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[Publications] 山口智明, 堀口 剛: "パケット流に適したリンク分布を持つネットワーク構造"Proceedings Sixth Workshop on Information-Based Induction Sciences. 101 (2003)
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[Publications] 山口智明, 塀口 剛: "パケット流の最短距離ルーチングに対する最適なネットワーク構造"TECHNICAL REPORT OF IEICE. NC2003-108. 1 (2004)
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[Publications] T.Horiguchi, H.Takahashi, K.Hayashi, C.Yamaguchi: "Dynamic Programming for Optimal Packet Routing Control Using Two Neural Networks"Physica A.. (印刷中)(accepted for publication). (2004)