2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルコフ確率場モデルに基づく適応型画像処理フィルターの設計理論
Project/Area Number |
14084203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 和之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80217017)
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Keywords | 確率的画像処理 / 統計力学 / 確率推論 / ベイズ統計 / 信念伝搬アルゴリズム / マルコフ確率場 / 情報統計力学 / 平均場理論 |
Research Abstract |
最近10年間の確率的画像処理への統計力学的アプローチにおける研究代表者の研究成果を,基本的理論から具体的アルゴリズムの構成法にいたるまでわかりやすくまとめ,Topical Reviewとして「Kazuyuki Tanaka, Journal of Physics A, vol.35,no37」という形で出版した.そこではベイズ推定を用いた確率的画像処理の一般論,厳密不等式を用いた解析的性能評価から始まり,平均場近似・ベーテ近似による確率的画像処理アルゴリズムの基本的理論の解説を行いつつ,更には実用的画像処理への応用も含めた形での解説を,画像処理の基礎知識を持たない物理分野の研究者にわかるように与え,同雑誌編集委員からvery interestingと言う形で高く評価された.またその一方で,人工知能における確率推論の分野で研究されている信念伝搬アルゴリズムとクラスター変分法の枠組みを整理・再定式化し,新しい確率的画像処理アルゴリズムの構成理論の基盤整備を行った.特に一部のモデルについては一般論を確立することに成功している.その成果の一部は2002年12月にWhistler(Canada)で開催された国際会議「NIPS^*2002 Workshop on Propagation Algorithm on Graphs with Cycles : Theory and Applications」で既に公開している.更に,画像の空間的平坦さを反映したQ状態ポッツモデルと空間的滑らかさを反映したQ状態イジングモデルに対して一般化された信念伝搬アルゴリズムを適用し,周辺尤度最大化によるモデルパラメータの推定も含めた理論的解析を行った.これらの成果の一部はJournal of Physics Aへの投稿を準備中である.なお,本計画研究の研究遂行の過程で開発したアルゴリズムの基本プログラムをホームページURL:http://www.statp.is.tohoku.ac.jp/〜kazu/SMAPIP-KazuKazu/から公開し,研究成果の一般からの利用環境の整備を行っている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田中和之: "ミクロカノニカル分布にもとづく確率的画像修復アルゴリズムにおけるハイパパラメータの自動推定"電子情報通信学会論文誌(D-II). Vol.J85-D-II・No.5. 815-824 (2002)
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[Publications] 田中和之, 古里大喜, 堀口剛: "位相をライン場および領域場として持つ結合マルコフ確率場モデル"電子情報通信学会論文誌(D-II). Vol.J85-D-II・No.5. 805-814 (2002)
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[Publications] Kazuyuki Tanaka, Tsuyoshi Horiguchi: "Solvable Markov Random Field Model in Color Image Restoration"Physical Review E. Vol.65・No.4. Article 046142-1-046142-18 (2002)
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[Publications] Kazuyuki Tanaka: "Statistical-mechanical approach to image processing"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.35・No.37. R81-R150 (2002)
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[Publications] 田中和之: "確率推論に対する統計力学的アプローチ-クラスター変分法と信念伝搬アルゴリズム-"計測自動制御学会システム・情報部門学術講演会2002講演論文集. 91-96 (2002)
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[Publications] 田中和之, 井上純一: "Q状態イジング模型を用いた多値画像修復における周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定"日本物理学会第58回年次大会講演概要集(第2分冊). (発表予定). (2003)