2004 Fiscal Year Annual Research Report
マルコフ確率場モデルに基づく適応型画像処理フィルターの設計理論
Project/Area Number |
14084203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 和之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80217017)
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Keywords | 確率的画像処理 / 統計力学 / 確率理論 / ベイズ統計 / 信念伝搬アルゴリズム / マルコフ確率場 / 情報統計力学 / 平均場理論 |
Research Abstract |
前年度下半期から準備を進めてきた「ガウシアングラフィカルモデルを事前確率として仮定したマルコフ確率場モデルに対するハイパパラメータの最尤推定の確率伝搬法アルゴリズム(すなわちベーテ近似)による性能評価」についての成果の一部を,海外研究協力者であるD.M.Titterington氏との共著の学術論文として学術雑誌J.Phys.A : Math.& Gen.Vol.37,No.36に出版した.ガウシアングラフィカルモデルは,もともと多次元ガウス積分の公式を用いた解析的な取り扱いが可能であり,厳密解をもとに構成したアルゴリズムと確率伝搬法を用いた確率的近似アルゴルズムとの精度の比較を通して,確率伝搬法のアルゴリズムとしての性能の詳細な解析を行うことができた.更に今年度は,この確率伝搬法(すなわちベーテ近似)を「一般化された確率伝搬法」(すなわちクラスター変分法)および「TAP (Thouless, Anderson & Palmer)の方法」へと拡張し,より高精度の確率的近似アルゴリズムとして実現した.同時に従来のスピングラス理論において得られている知見との比較検討も行った.その成果の一部は電子情報通信学会和文論文誌D-IIに現在投稿中である.今年度までの成果により,確率伝搬法とマルコフ確率場を用いた確率的画像処理アルゴリズムの基礎的知見が出そろい,これを元にして個別のデータに適用可能な確率的画像処理フィルターとしての設計の準備を海外研究協力者のD.M.Titterington氏と研究打ち合わせを重ねながら進めている.またそれと同時に,従来の画像処理フィルター理論との関係についても明らかにしつつある.現在,この関係をまとめた教科書の執筆を進めており,森北出版からの平成17年度中の出版を計画中である.
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Research Products
(6 results)