2004 Fiscal Year Annual Research Report
統計力学にもとづくCDMAマルチユーザ復調方式の解析
Project/Area Number |
14084209
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田中 利幸 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (10254153)
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Keywords | CDMA / マルチユーザ復調 / スピングラス / 連想記憶モデル / 統計神経力学 / 並列干渉除去 / スペクトル拡散 / 情報統計力学 |
Research Abstract |
1.CDMAマルチユーザ復調方式の性能評価について,平成15年度までに得られた研究成果にもとづき,本年度は以下の3通りの検討を実施した. (1)時間相関を有するガウス形通信路ノイズを想定したCDMA通信路モデルの検討:フェーディング通信路を想定したモデルを考察するための準備として,時間相関を有するガウス形通信路ノイズを想定したモデルに対して,性能評価のための解析理論を構築した. (2)モデル不整合の影響の検討:復調器が想定する信号の振幅と位相が実際の信号の位相,振幅とずれている場合を想定し,ずれを考慮した解析理論を構築することによって,ずれによって引き起こされる性能劣化を議論した. (3)非ガウス形通信路ノイズの場合の検討:通信路ノイズが時間的に無相関であるが必ずしもガウス形ではない一般の場合を想定して,性能評価のための解析理論を定式化した.Guo and Verduは,ガウス形通信路ノイズを想定したモデルでの最適なCDMAマルチユーザ復調の問題については,それと等価な,単一ユーザに関する復調の問題を導くことができる(彼らはこの事実をdecoupling principleと呼んでいる)ことを主張しているが,本検討により,彼らの主張が一般に加法的通信路ノイズの場合に成り立つことが示された. 2.並列干渉除去方式と呼ばれるCDMAマルチユーザ復調のアルゴリズムについて,平成15年度までの研究成果をもとに,統計神経力学の立場からの研究を本年度はさらに展開した.具体的には以下の検討をおこなった. (1)部分干渉除去法の復調ダイナミクスの検討:Divsalarらにより提案されている部分干渉除去法について,統計神経力学にもとついてアルゴリズムの復調ダイナミクスを記述する理論を定式化した. (2)確率伝搬法にもとづく復調アルゴリズムの検討:樺島が提案している,確率伝搬法にもとづくマルチユーザ復調のアルゴリズムと,部分干渉除去法との関係について検討した.また,非ガウス形通信路ノイズの場合について,部分干渉除去法=確率伝搬法にもとづくアルゴリズムの定式化を行なった.
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Research Products
(5 results)