2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナチュラルコンピューティングの分子実現とその設計論
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14085203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山村 雅幸 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00220442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 一 大学評価学位授与機構, 評価研究部, 教授 (20195241)
坂本 健作 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50240685)
樺島 祥介 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80260652)
太田 元規 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40290895)
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
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Keywords | DNAコンピューティング / 統計力学 / 遺伝的アルゴリズム / 進化 / 生体分子 / 分子進化 / ワンポット反応系 / ウェットGA |
Research Abstract |
遺伝的アルゴリズム(GA)、焼きなまし法(SA)など生命・自然現象に啓発された計算技法をナチュラルコンピューティングと総称する。本研究の目的はナチュラルコンピューティングの分子実現にある。最適化問題として見たときの適応度地形の特長によって2種類の具体例を用意した。平成14年度の研究成果をそれぞれについてまとめる。 1、特定の酵素(アミノアシルtRNA合成酵素(aaRS))の基質特異性の進化的改変を対象とした、熱力学的遺伝アルゴリズム(TDGA)の分子実現をテストベッドとして生物系・情報系双方向からの検討を加えた。aaRSはすべての生物が持っている古いタンパクで、多種多様の立体構造を持ち、広域多峰性の適応度地形を持っていると考えられる。TDGAに適した進化実験系を新たに構築し、実験で得られたデータをもとに、進化計算、最適化、統計物理などナチュラルコンピューティングの側面からの理論解析・シミュレーションを行うことで、実験条件の改良と同時に理論解析の補強を試みた。 2、伏見らが開発した既存の試験管ウイルスを改良し、ワンポットの試験管中でライフサイクルを回すことのできる人工ウイルスの分子系を構築し、この等温(核酸+タンパク質)増幅系を用いて、進化リアクターを構築し改良した。この進化リアクター中の試験管ウイルスは、そのリアクター中に設定された環境に適応するように進化するという意味において、分子人工生命と呼び得る。この進化リアクターを用いて、タンパク質の大域的適応度地形、並びに、適応度地形中腹の性質を探査する。蛋白の多くは富士山型の地形をもつことが知られており上記と好対照をなす。これら地形の性質を蛋白質物性データを基に理論的に調査し、また、その上の適応歩行を考察した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山村雅幸: "進化計算の機能分担仮説"電気学会ナチュラルコンピュテーション共同研究委員会・産業システム情報化研究会資料. (2002)
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[Publications] Kiga, D., Sakamoto, K., 他: "An engineered Escherichia coli tyrosyl-tRNA synthetase for site-specific incorporation of an unnatural amino acid into proteins in eukaryotic translation and its application in a wheat germ cell-free system"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99. 9715-9720 (2002)
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[Publications] Tabuchi I., Soramoto S., Suzuki M., Nemoto, N., Husimi, Y.: "An efficient ligation in the making of in vitro virus for in vitro protein evolution"Biological Proc On-Line. 4. 49-54 (2002)
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[Publications] Yoshiyuki Kabashima: "A statistical-mechanical approach to CDMA multiuser detection : propagating beliefs in a densely connected graph"cond-mat. 0210535. (2002)
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[Publications] T.Aita, M.Ota, Y.Husimi: "An in silico exploration of the neutral network in protein sequence space"J.Theor.Biol.. (in press).
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[Publications] 佐野泰仁, 喜多 一: "探索履歴を利用した遺伝的アルゴリズムによる不確実関数の最適化"電気学会論文誌. 122-C, No.6. 1001-1008 (2002)