2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナチュラルコンピューティングの分子実現とその設計論
Project/Area Number |
14085203
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山村 雅幸 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00220442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 克巳 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60293073)
樺島 祥介 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80260652)
太田 元規 東京工業大学, 学術国際情報センター, 助教授 (40290895)
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
喜多 一 京都大学, メディアセンター, 教授 (20195241)
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Keywords | ナチュラルコンピューティング / 遺伝的アルゴリズム / 進化計算 / ウェットGA / モンテカルロ法 / 統計力学 / 分子進化 / タンパク工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、分子計算によって培われた情報科学・生命科学の協力体制によって、分子進化という同一の課題に取り組むことにある。3年目の中間報告を過ぎて、研究課題の絞込みと新たな展開の両面を試みた。昨年より分担者として春木満氏の参加を得て実験面を強化した。本年は坂本健作氏の理研への移転に伴い、研究協力者として若林健一氏にウェット進化計算の実現実験を依頼した。主要な成果は次の通りである。 理論面においては、山村は組換えタンパク質の発現量およびフォールディングの有無について生物学実験データからのデータマイニングを行って、組換えタンパク質の生産性向上に役立つ知見を得た。また染谷は理論解析とシミュレーションを分担し、シミュレーテッドアニーリングなどのマルコフ連鎖モンテカルロ法に基づく最適化手法の分子による実現可能性について検討した。その結果、これらの実現は困難であるとの結論を得た。これにより、間接的にではあるが、提案しているウェットGAによるタンパク質の進化手法の意義を確認した。伏見は、単純化された進化分子工学実験における分子進化過程と熱力学過程とのアナロジーをとることで、分子進化過程が外部環境からの情報獲得過程であるという概念を明確にした。 実験面においては、伏見は進化リアクターにおけるミスハイブリを減少させる目的で50℃のThermoT7RNAポリメラーゼに対するプロモータの最適配列を決定するためのin vitro selection実験を行った。春木は熱安定性の低下した大腸菌RNase HIのC末端欠失変異体と、大腸菌RNase H依存性温度感受性株を利用し、淘汰圧の有無により、熱安定性の向上の頻度がどのように変化するか検討を行った。また、タンパク質変異体安定性プロフィールの予測に基づく部位特異的およびランダム変異導入による大腸菌リボヌクレアーゼHIの熱安定化の向上を試みた。
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Research Products
(16 results)